第5話[四大絶帝]

〜現在地︰アジト〜

〜零夜視点〜


白月と共に書類を進める、白月は「もう無理〜……」や「多くな〜い……?」と言うが、「俺これを昨日1人でやったんだよね」と言うと「頑張ります……」と言い書類整理をまた始め、たまに紅茶を差し出したりすると、「ありがと〜」と言い笑顔になるので、それで機嫌を調整している


白月「それにしても、流星街の暴力沙汰やら薬売人の増加やら、なんなんだろうね〜」


すると白月は書類に目を向け、進めながら俺に聞く


零夜「さぁな〜、でも組織ぐるみなのは間違いないよな〜」

白月「そうだよね〜」

零夜「まぁ、早くその組織見つけようぜ」

白月「だねぇ」


コンコン


その時、ドアがノックされ、俺は反射的に「入っていいぞ」と言う

「失礼します」と言う声が聞こえ、凛音がドアから顔を覗かせる


零夜「凛音か、巡回終わった報告か?」

凛音「それもありますが、それよりも」


神妙な顔をする凛音に俺と白月はキョトンとし顔を見合わせる、そして凛音はふところから何か取り出し、それを俺の机に置く、その正体はボイスレコーダーのようだ

凛音は「静かに、聞いて下さい」と俺達に釘を刺し、俺らは首を縦に振る

そして、ボイスレコーダーがポチッと起動すると、音声が流れる


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


凛音『……はい、それで、もう1回言って貰えますかね?』

薬売人『ひ……ぁ……』

凛音『おい、言わねぇとお前は死ぬんだよ、有無は言わせねぇ』

薬売人『言う!言いますからぁ!!!』

凛音『じゃあ、さっさと言え、都心部から離れてると言っても人に見付かったら、お前もマズイだろ?』

薬売人『……お、俺は……俺達は………』


薬売人『虎狼ころうの……構成員です』


凛音『……なんで流星街を?』

薬売人『ぼ、ボスに、ここで薬を売って、ここの状況を言うようにと、い、言われ……』


凛音『……最近の暴力沙汰も?』

薬売人『そ、れ、それも、虎狼です……』


凛音『……そっか』

凛音『じゃああとh……』


ピッ


凛音『ッ!?』

薬売人『え……なんで離れt……』


バゴォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!


凛音『……マジ……??』


凛音『……記録終了』


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カチッと言う音が鳴り、ボイスレコーダーは音を発しなくなる

ボイスレコーダーの内容は、耳を疑うような内容だった

何故ならそれは、最近の暴力沙汰の事、薬売人増加の事についてが、薬売人から語られていたのだから


零夜「最後のって……」

凛音「……虎狼組の構成員が、爆散した音声です」


あの轟音は、構成員が爆発した音声……

その前のピッと言う音は、爆発のトリガー音だろう……


白月「……虎狼組かぁ〜」

凛音「………」


"虎狼組"

虎狼組は、四大絶帝よんだいぜつていの一つ

四大絶帝とは、日本で名を馳せている4つのマフィア組織の事

その一つである虎狼組は、徐々に活動域を広げており、その残虐性や狡猾性は凄まじく、手を出せない存在となっている

虎狼組は四大絶帝の中では一番の組員を有しており、その数なんと3


それに比べ俺達は30人ほどなので、今攻められたら確実に終わりだろう


白月、凛音の顔が明らかに沈む


それもそうだ、四大絶帝に目をつけられたのだから、こんな零細勢力が勝てるわけないと思うのは当然だろう


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───蒼炎の炎を燃やせ


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……だが、俺は椅子から立ち上がり、白月と凛音に向かい声を出す


零夜「……お前ら、皆を会議室に集めろ」

零夜「話し合おう、これからどうするか」


凛音は半ば諦めたような顔をし「もう……無理じゃないですか……?」と言う


零夜「やらなきゃこのまま死ぬだけだ、もう少し抗おうぜ」


俺は笑顔で白月と凛音に語りかける


白月「……そう言われたなら」

凛音「……連絡してみます」


そう言うと、凛音は俺達の自作のメッセージアプリ、"レイテル"のグループにメッセージを送る


零夜「じゃあ、俺は会議室に向かう」

零夜「お前らも準備が済んだら来てくれ」


凛音と白月は「了解」と言うと、執務室の部屋を出ていった

俺も紅茶を注ぎ、それを飲み干し、頬を叩く


零夜「……の炎を絶やすな」






零夜「俺は、のボスだ」






そう呟き、俺も執務室のドアを開く

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