第2話 異世界の仕事事情
異世界人……?
もしも、彼女が口に出している情報が正しいのであれば、僕は
しかし、
そんな、ラノベみたいな展開が、起こってたまるかと。
だが、仮にこれが夢の世界とは
ここは、本当に異世界で、僕は異世界転移を
「あの……」
彼女が、口を開ける。
「もしも、あなたがこの
「……僕もよく分からないです。果たして、どうなんでしょうか? ただ、これが夢や
彼女は、
「帰る場所……その、行くあては、あるんですか?」
「知らない世界なので、知り合いは一人もいませんね」
「そうですか」
では――と薄桃色髪の女性は言った。
「今日はぜひ、私の家にお
「…………」
見知らぬ人の家に泊まる。元の世界では
「
「運が悪ければ、売られますよ」
「売られる……?」
「悪い人に、さらわれてしまいます。あなたみたいな顔の造形をした人は、この世界にはまず、異世界人以外に
「
「一番高く売られるのは……おそらく
「……玉?」
「ええ、
急に、
「この世界には、玉を1万個集めると願いが
なんか、〇龍みたいな言い伝えだな。
「――まあ、そういう
だよな……。
なんか、安心した。
「ただ、路上で寝る
「まあ、僕も売られたくはないですね……」
彼女に言った。
「
「
僕は、その場から立ち上がった。
ずぶ
早く、
そういう意味では、彼女のお
「では、行きましょうか」
彼女がそう言って、僕は薄桃色髪の女性と、一本の
「でも本当に。売られる前に、
「確かに、さっきまで地面の上で寝ていたので、そういう人に見つかっていた可能性も
「ええ。私も、ちょうど
「残業帰り……ですか?」
「はい。私、
「この世界にも、その言葉は存在するんですね」
「私、毎日残業しているんですよ。しかも、ほとんどがサビ
「サビ残……?」
「サービス残業の
「それはまた……意味から略称まで、すべて聞きなじみのあるお言葉で」
やはり、労働はいつの
そんなことを、思った。
「ちなみに、どういう
「ギルドの受け付けをしています。周囲からはギルドの
ギルドの受付嬢……。
「それは……モンスター
「おお、よく知っていますね。まるで、この世界に来たことがあるかのような、正しい
「そうですか……」
というか、マジか……と思う。
この世界には、モンスターが
じゃあ、
「こっちの世界では、わりと異世界系の小説が
「へえ、小説……ですか?」
「まさに、今の僕みたいな
「そうなんですね。それは本当に、今のあなたみたいな……」
と、そこまで言葉を発した彼女が「あっ!」と大きめの声を出した。
「そういえばですけど、
「言われてみれば、そうですね」
女性は、
「私の名前は、サラと言います。あなたは?」
「僕は、
「ナオキさん……ですね。よろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしくお願いします。……サラさん」
少し
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