第10話 パスタ・アルフォンソのパスタ

 『イタリア料理という概念は存在しない。あるとしたらイタリア各地の郷土料理と、アルフォンソのパスタだけだ』


 てなわけで、イタリアには共通して食べられる料理ってのがない。なんでお前そんな事を知ってんだよってイタリアに住んでたからなんだけど、私の話はどうでもいい。日本と似ているイタリアでも本当に食事だけは各地で異なる。たとえばシチリアでは美味しい魚介とトマト、それにレモンを使う。たとえばピエモンテでは塩漬の豚肉に卵、チーズを使う。

 特産品を用いるというか、特産品しか用いないと考えてくれていい。だから共通して食べられる料理というのが存在しない。だからこそイタリアンは各地それぞれを学ぶ楽しみがあるし、だからこそイタリアンは極める事か不可能だと言われているのだけど。


 そんな中。

 唯一。

 イタリア各地で食べられるパスタがある。


 ニンニクとトマトとバジルのパスタ。

 日本だとあれだ。

 塩おにぎり。

 それか、かけ蕎麦。

 シンプルもシンプルなこのパスタだけが、イタリアでは共通している。

 そんなシンプルなパスタを絶対にメニューから外さない高級ホテルがある。


 ホテル・ドン・アルフォンソ。


 まー、高い。

 あと、スターがその辺にいる。

 私もサッカー選手とハリウッド女優を見た経験がある。オーラが凄くてな。ニフラムで消されるスライムの気分を味わえた。


 今回は、そのアルフォンソのパスタを御紹介しようと思う。作り方も家庭ではなくアルフォンソに寄せるので少し手間。でもシンプルだしな。そんぐらいは我慢だ。


 ・材料

 スパゲッティーニ(1.6ミリならなんでも)、ニンニクたくさん、フルーツトマト(ミニトマトたくさんで代用)、フレッシュバジル、鷹の爪、玉ねぎ

 ・調味料

 オリーブオイル、塩、砂糖


 ・作り方

 ①まず、冷たいフライパンにオリーブオイルとみじん切りにしたニンニクと鷹の爪を放って弱火でジックリと加熱していく。普段はテキトーで良いけど、アルフォンソの場合は真面目にジックリやる。

 ②加熱している間、皮を剥いたミニトマトをみじん切りにして砂糖と塩を振って水分を出しておく。味を凝縮しておく。

 ③フライパンから香りが立ったらみじん切りにした玉ねぎ、②を加えて中火で加熱。オレンジ色になるまで加熱。熱をたくさん入れれば入れるだけ美味しくなる。焦げないように。詰まり過ぎたら水で伸ばしながら。アルフォンソの場合はソースを真面目に作る。

 ④茹でたパスタを③に絡めたら大量のバジルを加えて一気に強火。手早く和える


 ドン・アルフォンソはシンプルもシンプルだから誤魔化しが効かない。真面目に作る。ただ美味いんだぜ、これが。酒は白ワインを冷やして。そんでサッカー観ながら皆でワイワイしながら食べるの。

 チーズは最初、振らねえでくれな。

 ニンニクを強めにするのがコツ。

 ボナペティ!


 

 

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