14.輝ける未来線

 ケンジが気が付くと、客車のボックスシートに座っていた。列車は減速し始めていた。

「終点。終点。輝ける未来線はお乗り換えです。当列車は折り返しとなります。お忘れ物にはご注意ください」

 輝ける未来線は、文字通り輝ける未来との接続を目指して建設中の路線である。まだ、建設中だが、すでに改札の前には、乗り換えを待つ長い人類の列ができていた。

 ケンジは長い旅路に別れを告げた。


 現実世界で生きるためここで降りる。

 困難は回避するのではない。

 乗り越えるのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る