少女は、心をほぐす為に

みっちゃん87

小さな部屋の窓からは、夕焼けが静かに部屋を染め上げていた。彼女は、その光がベッドに映るのを眺めながら、ふっと息を吐いた。窓の外の世界は美しいのに、心の中はいつも曇天だ。少女の名前は紗月。新しい学校、新しいクラスメート、新しい期待…すべてが彼女の肩を重くする。

紗月は自分の心がなぜこんなにも重いのか、どうして常に不安でいっぱいなのか、理由がわからなかった。毎日がまるで深い霧の中を歩いているようで、前に進むことができないでいた。

「また、こんなに不安で…」自分の声が小さく震えるのを感じながら、紗月はベッドに腰掛けた。彼女の部屋には本が散らかっており、その中には心理学や自己啓発の本も含まれていたが、読む気になれずにいた。でも今日、彼女は学校で見かけた一枚のポスターを思い出していた。それは、マインドフルネス瞑想クラブの新規メンバー募集の告知だった。

「心を静めるって、どういうことだろう？」彼女はぽつりと呟いた。

紗月はその言葉を繰り返しながら、もしかしたらこのままじゃなくてもいいのかもしれないという、ほんの小さな希望を感じ始めていた。その小さな希望が、彼女を新しい世界へと導く最初の一歩になるとは、まだ知らない。