第26話 勇者達の猛攻開始。

第26話 勇者達の猛攻開始。


異世界38日目 朝


 モンスターフォレストのブリントン王国側から、モンスターの鳴き声が一斉にし始めた。

 ガンギマリの目!真っ青な顔。そして、「オレは引退するんだ!引退するんだ!」と、ナンバー2である勇者カイゼルは、特にひどい状態だった。


 いきなり発令された聖大教会帝国の発表。

 各王国は、動揺した。

 しかし神託だとされて、原因は勇者達に飯代すら出さない王国にあるとして、各商店は自分のいる王国に支払いを求めろという。

 そして、各王国はこれまでの行為を恥じて支払いをするように命令を出す。


 ナンバー2のいきなりの婚約も発表された。

 ついでにナンバー7、15、16の婚約発表もされて勇者達は真っ青だ。

 あんなやつと結婚なんて嫌だ!

 この作戦を遂行して、女神に報酬として勇者引退を認めさせて王女もぶっ殺して、平穏な生活を送る!


 そして、集められた地元勇者達は、全650パーティー中下位650位から、100パーティー集まった。兵士も出て500人勇者軍団だ!


 だがナンバー7の勇者リーナだけは、事の重要性に気がついていた。

 実は、これだけ勇者がいても誰一人魔王を倒したヤツはいない。

 だが、マスター・オオベー(主人公の事)は眼の前で見たこともない魔法らしき技で倒したのだ。

 つまりだ、明らかに我々よりも強い。

 あの、異世界勇者の大縁 増田(おおべ ますた)には、そそるものがあったが別の言い表せない感情があった。

(リーナは、レズビアンです。女性しか愛せないはずだったのですが…。)


 そして作戦もなしに、モンスターフォレストへの突撃が始まった。


モンスターフォレストの中の小屋


 騒がしいな。

 オレ達は、空間部屋から出て異変を感じた。

 最近森の外まで有効範囲が広まった、魔力探知と察知を両方使って見ると、見覚えある気配がある。勇者カイゼル達だ。


 総勢500くらいかな?


マリーナ

「クククク!パワーアップした私の力をみせて戦(や)る!」


ナツ(聖女Ver.)

「そうです!それでいいです!回復もします。後、魔法系と回復系のジョブの奴は、後の処理を私がします。

 御主人様に、牙を向けた奴は許しません!私の力を少しでも使った祝福は回収です!」


「なにか、[掌握]で勇者のスキルを封印できそうな感覚があるけど、まだ力不足かな〜。」


ナツ(聖女Ver.)

「魔素とか、魔力を掌握すればいいかもしれません。魔力探知とか察知は出来てますから、もうすぐできるかもしれません。」


「あ!そうか!魔力探知と察知をしながら、[掌握]すれば…できた? こうかな?」


 ファイヤーランスを、ヘビみたいにクネクネさせてみた。

 アレ?これっていろんなスキルと組み合わせるとアニメで出てくる、主人公の必殺技とかいずれ再現できるかもな。


 なんて話していた。勢いだけならここまで30分もかからないだろう。

 

 し〜ん…。


 1時間経過



 あれ?逆に静かになった?

 魔法探知・察知! アレ?アイツラ森の浅層から動いていない?

 罠か? ファイヤーランスを飛ばしてみた。

 ドーン! ドーン!と、モンスターの反応に着弾する。が、勇者軍団と思われる奴らは動かない。

 反応が有るから、死んではいない。はて?


 こちらにも、モンスターが襲ってきたので、倒していくが、奴らはうごかない。

 なぜだ?伏兵か?


 もう少し待とう。


 おい!早く来いよ!いい加減腹が立ってきた!

 様子を見にいくか!

 すでに3時間経った。昼になっている。

 


[速報]勇者軍団、毒スライムによって全員戦闘不能w



 コイツラ、本当に勇者か? 毒スライムを蹴り飛ばして討伐したオレを、信じられない強者をみたという目で見る勇者カイゼル。


 仕分けするか。

 回復職と魔法職を分ける。さっそくナツとマリーナが、処罰していた。


 さてと、戦士と勇者の皆さん?覚悟しろ!今から実験をしてやろう。

 まずは野郎共!その後は女性だ。クククク!


 

異世界38日目 夜


勇者カイゼル

「や、やめろ!やめてくれ!いやー!」


 いや、そんな叫び声を出すなよ。勘違いされるだろ!

 だけど貴様のスキル封印実験はするけどな!

 [掌握]発動!あった!魂だ!あの出っ張っている瘤(コブ)とかだな。

 イボとかの出来物の対処法みたいに、魔力で糸を作ってスキルと魂との接続部を縛ってしまう!


勇者カイゼル

「アピー!」


 もう、変な奇声を上げるなよ!ったく!

 なんだ?魂のある部分が震えている?かゆいのか?少しさするか?


勇者カイゼル

「あ、アハ〜ん!」


 は?なんだコレ?

 まぁ気にするな!スキルを縛っていく。


勇者カイゼル

「あう〜。」


 いろいろ試してみようか!

 


 そして2時間後、意識不明の勇者軍団を馬車に積み込んで、素人(シロウト)に戻った回復系のや魔法職も馬車に入れる。

 馬車の守りの騎士達は無事だったらしい。


騎士

「教会、教会の命令だったのです。

 女神様の神託で、聖大教会帝国に出頭を命じられてます。

 こ、殺さないで下さい。」


 武力を見せると、やっと命令口調をやめだけど、この内容だからな〜。

 

「コイツラを連れて還れ!オレの邪魔をするな。文句ならオレを勇者ではないと認定したクソバカ王国に言え。責任もクソバカ王国に言え!そして、オレに関わるな。

 オレは、オレで自由にさせてもらう。

 用事があるなら、そちらから来い!と行っておけ!

 オレの解放された生活を邪魔するなら、戦闘だ。」


 地球に戻れば、封印に生命力をうばわれるとか、また無理難題生活をさせられるとか、デメリットしか浮かばない。

 なら、この世界で生活を組み立てて行くのもいいかもしれない。


 何故か勇者リーナを気に入ったらしく、ナツが置いておくと言うので、リーナ以外帰させた。


 ふう!

 さてと、[掌握]で勇者無力化ができるようになったので、収穫ありとして帰るか!


 港街 タウリンの拠点に帰ったが、荒らされていてそこに、果蓮 杉名(かれん すきな)参上なんて書いてあったのを見て、激怒する。


 見ていろよ!あの裏切り者め!いつかぶっ倒してやる。

 いや落とし穴には、いれたから後悔するほど泣かしてやる!か?

 いや、泣かした程度で済ますわけにはいかないからな〜。何かスカッとする方法はないか?


 

 

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