第10話計算違いか?

第10話 計算違いか?


異世界14日目 昼


 は~。何だコレは?

 今、罠の穴を埋める勇者達がいた。

 地元の勇者だ。しかも10組!なぜ穴に落ちる!隠してないぞ!

 

 眼の前で、他の冒険者達が落ちた穴があるのに、ゴキブリホイホイホイのように落ちてゆく勇者達。


 どういう事だ?

 コピーフィギュアが、直接聞きたいと言うので、落とし穴で回復役とかを選んでモンスター部屋に落としたら、既に虫の息。

 

 よく分からんが、やばいのでポーションを飲ませたらしい。

 果蓮(かれん)の姿をコピーして少し顔を変えて対応話している。

 聞き出したのは、魔力欠乏だった。そして、地元勇者達で間違い無かった。

 聞くと平均レベル60だという。


 は?

 ドカーン!とオレの頭の中で爆発する音がした。オレのレベルは26だったよな?

 あれ?28になってる?へ? 上がるような事をしたか?

なぜこんなに弱い?いや、まさか!コイツラわざとやって、オレを誘い出している。

 自信過剰だと思うが、罠の可能性も考えないといけない。


 しかし、情報はその可能性を否定する。

 だが、おかしい!レベル60で落とし穴に自ら進んでハマるのか?


 冷静に考える。ふと考えた。何か意味があるはずだ。

 眠った所を元の場所に戻す。一応コピーフィギュアが果蓮(かれん)の姿でダンジョンの入口まで背負ったりして、持ってきた姿を見せる。


 そして、「探してくる。」と言って、またダンジョンの奥に帰ったという演出にした。


コピーフィギュア

「だだいまです。外に出る作戦は成功しました。それで御主人様といることが出来ます。」


 ん?ご苦労さま。

 同級生の勇者達は、どうする?

 ん?コピーフィギュアの姿がチェンジしていた。

 コピーフィギュア

「ハイ、彼女達の遺伝子データーを採取しました。彼女達は聖女、魔導師、賢者、魔法使い、ヒーラーでした。

 共通するステータス表示がありました。

 鬱です。 家族が人質にされているとか、兄弟、姉妹が人質ですね。」


 ほう? え?記憶までコピーできるの?

 コピーフィギュアは、肯定した。

 オレの[能力][掌握]のレベルアップで、コピーフィギュアの能力が広がるのか?


 へ~。この時、オレは人生でなかなかなかった楽しさを感じた。


 やはり、この異世界に来たことで、大悪魔とかを封印していた負担から、距離的に逃れたということの影響が出たのかな?と思いたい。


 しかし、同級生とかの奴らに仕返しをしたいが、こんなに弱くて大丈夫か?という呆れた感情と、計画の大幅な変更が必要となって、腹が立っていた。


異世界14日目 夜


 ゴトンという音で目を覚ます。

 アダマンタイトがわかるだけなら全て回収された。ミスリルも回収済みだが、全て空間収納が出来ないのが感覚でわかる。


 レベルが足りないのではない!レベルアップできないから、広さが足りない。


 ここで、チャージスキル(収納)残り4に、注目する。これを使うか?


 使ってみた。中に何かある?すっごく広い収納だな。魔導師用の学園の試験問題? そして、魔道具が20、魔法使いの杖が6、そして、ダイヤモンドとか宝石に、金のインゴットが2トン?

 あ!まさか、あの魔導師のヘソクリか?


 コレは慰謝料として~とか思ったが、隔離しておこう。

 そして、何かの作戦命令書とか契約魔法の魔導書とかある。

 本などは、使わせてもらう。

 

[(祝福)空間倉庫スキルに触れた事によって、スキル(体験学習)が起動しました。

 スキル(体験学習)のレベルが大幅に上がりました。

 (祝福)でしか得られないスキルを自ら構築出来るようになりました。


 空間収納のスキルを(祝福)空間倉庫のスキルをもとに、改造します。

 今現在のすべての魔力を使用します。

 安全な場所に移動して下さい。]


 へ?スキルって改造できるの?

 パタン!


 それから、オレの意識が飛んだ。


異世界15日目 夜


 グーー

 腹が減って目が覚めた。コピーフィギュアによると、ずっと寝ていたらしい。

 急いで食べる。あ!食料も尽きた!

 よし、魔力はあるからと確認したら、空間収納の広さが、東京ドームなんてさらに上の、地平線が見えないレベルまで広くなっていた。


 う!腹が減ったな。すぐにアダマンタイトとか鉱石をとコアとか全て収納する。

 ドロップ品のいくつかは、ズタ袋に入れておいて勇者共も全て外に排出する。


 掌握のスキルを使うと、落ちてくる物を避けなくても向こうから避けるように設定できた。

 そして、ダンジョンから脱出した。

 

 そのまま、歩いて森を抜けて鉱山街の一つ手前の街の側で、空間部屋を出して寝ることにした。

 

 異世界16日目 昼


 空腹で起きてしまって、街にはいる。

 コピーフィギュアは、空間部屋にオレがいなくてもいることが出来て、別の場所で空間部屋を開けるとどうなるかの実験をしたが、そのままコピーフィギュアもいた。


 なるほど!

 コピーフィギュアは、まだ目立つので留守番をしてもらって、街に入りまずは腹ごしらえをする。

 そして、携帯食や果物などの食料も補充していると、騒ぎが起きる。

 誰か、何か病院っぽいところに運ばれているのだけど、地元勇者達だ。


 重症だという噂が、定食を食べていたオレにも届いてきたのには、複雑だ。

 

 そして、隣の隣のボックス席から妙な言葉が聞こえてきた!


 アイツラ、わざとだろ!


 そうよね、まさか落とし穴に全員ハマるなんて。


 だけど、それを異世界から喚んだ勇者達に拾われるとはな。


 違うだろ。これでしばらく休める。


 しー!わかっているよ!で?どうだった!

 

 その謎の穴に何故か勇者達は、落ちてしまうって事実を、俺達が後で作ってすぐに入院コースに乗る!


 既に他のパーティーとも連絡はついた。全員合意出来た。


 

 は!わざとか!いやいややっていた勇者から離脱するための芝居だったのか!

 悟ったオレは、すぐに宿に入ってこの世界の情報を集めることにした。



異世界17日目 朝


 ガラーン!ガラーン!朝の鐘らしい。

 オレは、すぐに食事をして出発しようとしていたら、騎士が街を包囲していた。

 何が起こった?乗り合い馬車も臨時休業の札がかかっている。

 まちの露店で買い物しながら、少し聞いていくと勇者逃亡防止の為に包囲したという。


 こわ! さてどこに移動するかな?

 一応そのまま街を歩いて出て、そのまま鉱山とは違う方向の道を行こうとすると、止められた。


 は? 国王と侯爵と子爵様から鉱山強制労働令が出た?

 うわ~、だんだんこの世界の思想品質がわかってきたぞ!劣悪だ。


 逃げるか?その時、オレの方向に突進してきた馬車がオレを轢いていった。

 あれ?痛くないな。まぁいいか?

「ぐばっ! あ、あぁ、むらに残した両親に!」とかいって銅貨一つをもって倒れる芝居をする。


兵士

「おい、捨てておけ!」


 ドサリ!と、ゴミ捨て場に捨てられたオレ。

 人のガイコツも有るな~。うわ~この世界は終わっているな~。

 さて、逃げるか。


異世界17日目 夜

 

 やっと、廃村跡にたどり着く。

 ふ~。井戸から水を…。わかってしまった。

 毒だ!すぐに廃屋の影に身を潜ませて、気配察知をする。

 人はいないな。ふ~。すぐに廃屋に入ると、いろいろ書類とか放置されていた。

 

日記


 今日は子爵様の御令嬢と息子の結婚式だ。やれやれ、この開拓村を押し付けられてから苦労したが、やっとまともな食事になりそうだな。


 騎士をリストラして、今日から全員村長をやれ!とかいい出しやがって!

 だが、オレは運がいい!歴代最強で、まともに魔王を倒せた勇者の行き先がわかる手がかりをこの開拓村の畑から発見するなんて。


 どうも、この場所は一度誰かが、開拓していのだろうな。土がすごく耕しやすい。

 作物も、何故か3日間で実がなるのがすごくいい。

 まぁ、この秘密もオレが子爵になってから言ってやろうかな?笑いが止まらね~。


 息子と結婚式なんていうが、オレが再婚することに変更して、その後に子爵はぶっ殺す!

 そして、かつての仲間も集めて、侯爵を殺ればそれで全て解決だ!


 次の日記を読む。


 クソ!子爵が既に御令嬢に殺されていただと!濡れ衣をオレに被せるつもりだ!

 ククククク、この勇者の行き先を手がかりの紋章があればなんとかなる。


 これが、日記の最後のページだった。

 すげーハードだな。


 そして、床とか鑑定のレベル上げのために、見ていたが、何か反応した。


 鑑定

  血文字のあと。

 「御令嬢は、吸血鬼」と書いてあったが風化した。


 は?この鑑定…人間の鑑定は駄目だが、こういうのはいけるらしい。


 空間部屋に入って寝ることにした。




 


 

 

 


 

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