第2話 解放の時2

第2話 解放の時2


 痛い!なんだここは!

 カビ臭い匂い!冷たい石の上に寝ていたようだが、なんだここは?


 ガヤガヤとうるさい。カビ臭いな。なんだここは?

 見ると、クラスの同級生達が騒いでいる。

 ステータス! やったぜ!勇者だ!なんて陽キャやろうが、飛び跳ねていた。

 まさか、捕まったのか?クソ校長のやろう!

 生き残って帰ったら…、と怒り暇もなくやって来た、胡散臭いローブ姿のザ!魔導師って奴が、「これが最後か。」とか言って、騎士にオレの腕を取らせて、デカい水晶玉に手を置かそうとしていた。


 間違いない。あの白い手に捕まって、異世界勇者召喚された!

 無理矢理手をほどいて、「なんだ!お前達!」というと、既に勇者が出た余裕なのか「後で、細かいことは聞け!」とか言って、また水晶玉にてを置かそうとするので、騎士の関節をひねって脱臼させる。

 舐めるなよ!こっちだって散々不幸をぶっかけられていたから、生きる術くらいあるのだよ!

 槍を向けて来るが、こっちは鉄パイプを振り回すクソ酔っぱらい相手に、逃げ回った事もある!袖のしたにいつも仕込んでいるチタンの棒で槍の穂先を反らして、ついてきた兵士の首を叩く!

 そして、飛び蹴りで魔導師をける!

 その時に水晶に触れた。なんだ?何かジョブとか文字が見えたが知るか!

 馬乗りになって、魔導師をぶっ叩いて逃げようとしたら、兵士がゾロゾロと入ってきた。

 そして、姫さま!というような奴がやってきて、「静まれ!」とかいう。

 国王とかも出てきてすぐにスマホで写真を取った。何が役に立つのか分からないから取っておく。

 あれ?ぶっ倒した魔導師のそばにオレンジの玉とか転がっているな。それが、転がってオレの足にぶつかって消えた。何だ?

 そして、同級生達が「あいつ、いらねーだろ!」とか言ってやがる奴がいる。

 このクラス、全員オレをいじめているやつだからな~。


 クソ!コイツラを一人でも道連れに!と武器になりそうな、先程の大きな水晶玉に手を触れると消えた! 

 カクン!と尻もちをつく!

 その隙に取り押さえられて、城から出された。


兵士 「逃げろ!と言っても、もうこの世界は終わるがな。この城区から一ヶ月以内に逃げろ! 俺達も、間もなくにげる。」


 といって、誰かに指示した。

 指示された男によって、オレは冒険者ギルドっていう、いわば傭兵からモンスターを駆除する戦闘屋とか、下水掃除とかする何でも派遣所みたいなところに案内された。


 男は冒険者ギルドに何か説明して、どこかに行ってしまった。

 

冒険者ギルド受付嬢

「また、やっちまったのですね~、異世界勇者召喚。禁断の術に手をだしたバカ国王め!

 それに、色情悪魔の王子め!」


 は~。顔はトップアイドル級。口はハバネロ級の受付嬢。

 この世界は、生きるのにきつそうだな。

 冒険者ギルドのシステムを教えてもらう。

 ランクは、一番上はZ、Y、X、SS、S、A、B、C、D、Eとなっている。

 初めはEランク。そして、聞いてないのに教えてもらったのが、この国では首都は城区と呼ばれており、ここから合法的に出るには、Cランクにならないといけないらしい。

 つまり、一ヶ月以内にランクアップしないといけないと言うことだ。


 そして、収入だが、Sランクで貴族の伯爵の扱いで日本円にすると月収一億円位の生活ランクらしい。

 ほ~、夢のあることで~。


 モンスターの種類は、まぁウェブゲームとかで出て来るゴブリンとか、コボルトって名も聞いたな。

 登録料は、百円硬貨を出したらお釣りの銅貨が出た。銀の質で使える貨幣とみなされたらしい。


 そして、ステータスチェックをする。


名前 マスタ・オオベ

ジョブ 

レベル 1


生命力 10

魔力  10

速さ  10

運   マイナス365


スキル

 (異世界言語カンピューター翻訳)(不明)(不明)(不明)(ダッシュ)(苦痛耐性)レベル11 (筋力増強)


チャージスキル

 (収納)残り4 (鑑定)残り1 (火魔法)残り5 (脱出用緊急転移)残り1


称号

 異世界人

 巻き込まれたはずの者


受付嬢

「は~、レベル1で10は、子供よりも弱いですね~。は?スキルチャージって、何か魔法具でもつけているのですか?」


 魔道具どころか、魔法すら無いと説明した。

 そして、生活の仕方とか聞いて早速仕事を決める。

 クエスト票が、クエストボードに貼られており、選んで受付嬢に渡してクエストをうける。

 クエストが終わると、冒険者ギルドに帰って来て、クエスト報酬をもらう。

 モンスター討伐は、冒険者ギルドカードに自動記録されるという。

 す、進んでいるな。雰囲気は中世だけど、技術は一部は、地球よりも進んでいるぞ!


 すぐに、下水道掃除をする。

 フン!掃除を舐めるなよ!と、渡されたデッキブラシで掃除だ。

 だが、不幸続きのオレの掃除レベルは高かったらしい。

 今は、午後の夕方近くかな?

 俺よりもデカいネズミがでた!


 オレと同じく掃除していた冒険者の奴らは、一目散に逃げて、下水道の鉄格子を閉めやがった!

 チュー!と襲ってくる!くそ!

 デッキブラシの柄で、オレよりもデカいネズミの喉をつく!


 チューーー!と暴れるネズミ!

 すかさず、目を攻撃するが倒せない!

 頭に、ケリを食らわせる!そして倒れたところに、頭を潰すつもりで踏み込む!

 だが、ダメージがそんなに無いらしい。

 「クソ!ファイヤーボールとか使えたら!」と、怒鳴るとドン!とファイヤーボールが出て、ネズミを焼いた。


 ハァハァハァ。そして、妙な気配が降りてきたような気がする。

 すると頭に声が聞こえてきた。

[パンパカパーン!レベルが上がりました。

 パンパカパーン!火魔法を覚えました。]


【術アナウンスです。平安の都の地下と平城の都の地下に封印した、大妖怪、大邪霊、大悪魔の千を超えた封印が時間が来たので、解かれました。

 封印の為に、生命力や運、気力、魔力を強制摂取していましたが、終了します。

 お疲れさまでございました。】

 思わず、ツッコム!

「おい!封印の勤めは終わったのだろ?報酬は!それにこれまで奪われていたモノは返ってくるのだろうな!

 殺された、親族とか生き返って来るのだろうな!」

 簡単に言ってくれるから、すぐに怒鳴ったよ。

 【は?報酬?もらって無かったのですか?】

 え?返事が来たよ。まともに返事が来たよ。

「全く!それどころか、冤罪の嵐だよ!」


 【すぐに報告します。】


 報告?しかし、変な気配は消えたからいないのだろうな。


 ネズミが、いたところは黒い拳大の石と牙があった。

 アレが魔石とドロップ品か?

 モンスターは、ダンジョンという不思議空間で倒すと死体が残らず、魔石が残り時々ドロップ品があるという。


 地上だと、モンスターの死体を解体するのだが…、あれ?死体がない?魔石とドロップ品って事は、ここはダンジョンか?


 覚えたての火魔法を使う。レベル1はファイヤーという小さな火炎放射だが、それで鉄格子の鍵を焼き切って外に出た。


 冒険者ギルドに買えると、オレは逃げ出した事になっていた。

 あのヤロー共! 受付嬢に魔石とドロップ品の牙を提出する。

 するとびっくりされた。え?Cランクのモンスターだって!まじか!


 グリズリーラットというモンスターらしい。

 そして、なんとか倒したけど死体が残らなかったと言うと、冒険者ギルド受付嬢センターは大騒ぎになった。

 首都(城区)の内部のダンジョン化だ!

 ギルドマスターに呼ばれて事情聴取を受けて、異世界から召喚された人間だと言うと、土下座されて謝られた。


 クソ国王っていっていたな。

 この国から、あと一ヶ月足らずで冒険者ギルドも、撤退するという。

 冒険者ギルドは、この世界での王国とは違う独立系ネットワーク経営で、本部は隠されているという。


 すぐにDランクにアップした。そして、魔石とかの報酬も出た。

 うは!銀貨とかの数字もほぼ日本円と同じなので二万ガルは、(約二万円)となる。

 ガルは現地大陸共通単位だが、ほぼ円だ。

 コッペパン150ガル(150 えん)とか、物価がほぼ同じだ。


 そして、逃げ出した他の冒険者が職員に捕まって、引きずられてギルドに入って行った。

 さて、今日は素泊まりの安宿に入って、屋台で買った焼串を食べて寝ることにする。


 ステータスチェックもしておかないと。

 


 

  


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