第2話 初めての犬ジョニー

ジョニー

初めての犬

ペットショップで売れ残っていた犬


ジョニー

初めての犬

なぜか母が突然

犬を飼うと言いだし選んだ犬


ジョニー

シェットランドシープドッグ


初めて僕と会った日

僕は犬が苦手で

君が怖くて震えていた

君は車の中で

僕の手をなめた


ジョニー

名前は父がつけた

ジョニー・ミラー

アメリカのプロゴルファーの名前


ジョニー

元気な犬

ローラースケートをはいた僕を

君はどこまでも引っ張って走った


ジョニー

孤高の犬

玄関に敷いたクッションの上が君のテリトリー


僕は大きくなって

君をかまわなくなった

母はイライラして

君に八つ当たりした


それでも君は

君のテリトリーでふんぞり返った

他人に媚びなかった


ジョニー

やる時はやる犬


僕が夜遅く帰ってきたら

君は脱走して路上を散歩していた

君の後ろから白くてカワイイ牝犬と

子犬が三匹チョコチョコついて歩いていた


ジョニー


ジョニー


ジョニー


動かなくなった犬


僕は大人になって

家から遠く離れた

妹に電話をもらい

家へ急いだ


小さな白いボール紙の箱に

君はすっぽり収まっていた


ジョニー

返事はない


ジョニーの周りは

お花が沢山詰められていた


父がお山にあるお寺へ

君を運んだ


ジョニー

父は死んだよ

母も間もない

妹は遠くの国へ行った


ジョニー

僕は一人



◆―― 作者より ――◆

子供の頃、実家で飼っていた犬ジョニーを思い出して書きました。

昔の話で、まだ犬は外で飼うのが当たり前の時代でした。

玄関先でジョニーを飼っていました。

犬好きの方は怒るかもしれませんが、時代が時代ですので、ご理解をいただければ幸いです。

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弟は戦争に行った(詩集) 武蔵野純平 @musashino-jyunpei

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