安心と安堵

この少女が言うにはケイは俺のために全てをかけたらしい


「じゃあなんで両手両足だけじゃないんだよ…」


「さあ?わからないわ」


ちょっとくらい顔で同情してくれたのか肩を摩ってくれた


「じゃあロヌアの説明終わったし私の説明するわ」


その子は声のトーンを上げて言った


その子が言うには名前はサリーローズで図書館に行こうとしてる途中に、路地裏で怪我している猫を見つけて、路地裏に入った瞬間に攫われたらしい


…ってことがあっておきたらまよこに赤髪褐色少年がいたって訳」


その言葉に驚き


「ちょっと待て俺男じゃねえぞ」


そう俺は女なのだ、3人兄弟の末っ子で二人のお兄ちゃんどものせいで、こんな性格&こんな態度になってしまったのだ


そしたらサリーが驚いた顔で


「え でもあなた俺って」


「一人称が俺で悪かったな」


「なーんだ男の子じゃないんだイケメンだったから狙ってたのに」


むすっとした顔でいって


互いの顔を見て笑った


「おいお前らゴチャゴチャ喋ってんじゃねーぞ」


そう知らないおっさんが言った


「いつからそこにいたんだ?」


「私語厳禁だ あとお前らに言うことがある体を売るかお客様に買ってもらうか剣闘士になって闘うか選べ」


「…………..」


「ああ?うぜえ奴らだな売り物じゃなかったら殺してた今だけしゃべっていいぞ」


「拒否権は?」


「拒否ったら首が飛ぶか罪人のおもちゃだな」


サリーの方を見るとちょっと青ざめていた、サリーはお嬢様なのだろう、この世界は紙が貴重品だそんな中紙を大量に必要とする図書館に行けるのは、爵位があるものや、商売にせいこうしたもの、そんな限られた一握りだ


「考える時間と飯をくれや」


「安心しろ1日朝昼晩出してやるさ 朝はパンと牛乳 昼はサラダと豆のスープ


夜は豚肉とパンだ 肉出るんだからありがたく食えよ」


「デザートはないんですの?」


「ねえ」


「紅茶は?」


「ねえ」


「じゃあジャムかバターは?」


「バターはねえがベリーのジャムならあるぜ」


「しけてますわね」


「サリーお前どこかのお嬢様だろ」


「よく分かりましたね」


思った通りだった


「けっ」


と言ったものの爵位や金があるくらいの商人の娘ならなぜ問題にならないのだろうか、と思って口に言おうとすると


「そこのお嬢ちゃんもかわいそうに兄から懸賞金かけられて」


「そうなのかっ!?」


思わず口にしてしまった、兄弟や姉妹は仲がいいものだと思っていたのだが、貴族は難しいな。


「よくあることだろう、自分より頭の良い弟や妹ができれば早く刈り取る。」


「そうですわね、ま まあ命が取られなかっただけでマシな方ですわ!てかなんであなたがしってるんですの?」


「まあ有名だしな 金髪の嬢ちゃんは体売るよりもお偉いさんに買ってもらったほうが良さそうだな….」


この男はちゃんと考えて言ってるのがわかる奴隷商をしてるが根は悪い奴ではないのだろうてかほんとに奴隷商なのか?ーー


「何睨んでんだよ」


凝視しているのがバレた


「俺はどうやったらここから出られるのかって思ってね」


「お前さんは格闘向きのスキルだから闘うしか道はねえかもなッ!」


この男なぜ俺のスキルを分かったんだ?


「不思議そうな顔してんな よしっ教えてやろう人は基礎魔法を教えてやろうこの世界は異世界の扉がよく開くそうしてる間にな魔法やスキルが充実して行ったんだよ


基礎魔法は5つで構成されている炎、水、土、自然、技だわかるか?」


「最初の4つは知ってるけど、技ってなんだ?」


「それはですね」


サリーが口を開いた


「4つの魔法があるじゃないですか、それは自然の力、いわば精霊さんや元素を操っているのですよ。」


「よく知ってるな嬢ちゃん」


不思議に思った


「風魔法や雷魔法ってどうやってんだ?」


「いい質問だなこのマサキが教えてやろう」


この男はマサキらしい


この男が言うには魔法は3つまで同時に使うことができるのだとか




炎+水は風魔法




炎+土魔法は岩魔法や粘土魔法




炎+自然魔法は炎の強化




炎+水+土はウォーターブロック的な奴らしい




簡単なところでいくと




水+土で沼魔法や泥魔法や調整すると雷魔法になるらしい




水+自然で自然の強化魔法




自然+土は毒魔法らしい




「ほーんなるほどな」


「そんなにあるんですねー」


サリーが驚いて言っただがマサキは不敵に笑って


「俺の魔法見るか?」


「「みたいみたい」」


「お客様困ります奴隷にそのようなこと吹き込んでは」


マサキの後ろから声が聞こえて見るとあの執事のような人がいたのだ


「あっお前よくも俺をはめたなケイはどうなったんだよ!」


「お前ですか….」


「てかやっぱマサキ奴隷商じゃ無かったのかよ!」


「な なんだよちょっとは奴隷商ごっこしたいじゃん?いいじゃん?」


マサキが顔を赤らめて子供のように言ってるのを横に執事ぽい人が喋り始めた


「ケイ様が消えてしまったのは事故みたいなものだったのです」


「様ぁ?」


自分はこいつらのせいでケイが消えてしまったのに事故と言っているのが許せなかった


「はい説明しましょう」


その執事らしき人は口を申し訳なさそうに口を開いた


「悪魔というのは両手両足を使って召喚するのは皆さんご存知ですよね?」


「「うん」」


俺とサリーは頷いたがサリーは言い訳よりもマサキが奴隷商じゃ無かったということに驚いているようだった


「悪魔を召喚した後消えた両手両足をパーフェクトヒールする予定だったのですよ」


「はぁああ?」


「パーフェクトヒールをした後記憶改変をするという予定でしてね…その悪魔をあなた方を連れてきた冒険者様が従える予定だったのですよ」


「悪魔は両手両足だけど良かったんだよな….」


「はい」


「じゃあなんでケイは消えたんだよケイは俺を庇って全部消えたんだよ..


ケイは..ケイは何をしたってんだっっ!」


「悪魔の儀式で全身消えて悪魔の儀式が中断されるということは想定外というより..ありえないのですよ。」


「なあちょっといいか?」


そういうとマサキは口を開いて


「多分そいつ悪魔より力強いやつにテレポートさせられたんだと思うが」


するとその執事が目を見開き


「その手がありましたか!全て点と点でつながりました」といいそそくさと出て行った


俺はポカンと呆気に取られていると


「お前さん安心しろ多分そいつ生きてるぜ」


「そうかそうか良かった」


ぼそっと声が漏れた


「あなたはそれでいいんですの?このままじゃ一生奴隷ですのよ?」


サリーに言われて自分の置かれている状況に危機感を持った

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