23
「瞬ちゃん!起きてください!」
ペシペシと頬を叩く優しい刺激で浮上した意識は、
いつも見ているはずの、見知らぬ天井を捉えた。
普段、カラオケボックスの天井とか眺めないからな。
「ん・・・いま何時くらいだ・・・?」
眠い目を擦る私の耳に届く遥乃の声は5時20分を告げる。
音も無くプロモーション映像を流し続けるテレビは
私が眠っている1時間もの間ずっとつきっぱなし。
「なら、少し後片付けをしないとな。」
私は立ち上がり、テレビの電源を切ってから
プラグをコンセントから抜く。デンモクも。
上下両フロアの各部屋にあるエアコンが切ってあるかを確認し、
ポカポカしている廊下、ロビー空間に場所も軽く掃き掃除。
大星先輩ともよく話をした、暇つぶしの舞台を清掃する。
「遥乃は今日限りなのか?このカラオケ店は。」
「そうですね。他のお店のバイトもあるので・・・」
大晦日も営業している店は、この駅前には他に無い。
「ここで本格的に働くつもりはないか?
万年人手不足で参ってるところなんだ。」
「えっと・・・」
2つ返事はもらえなかった。まあ、それもそうか。
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