第3話クラウンクリスタルのピアスの優しいプリンセス

プリンセスに案内されて、まずは大工の頑丈そうなハンマーで手錠をひとたたき、ふたたたき。ハンマーの方に手錠の型がついてしまった。次は料理人の大きな出刃包丁でたん、たん。出刃包丁の刃の方が欠けてしまった。最後は庭師の鋭利な剪定ばさみでちょきん・・・とはいかず。剪定ばさみがぐにゃりと曲がってしまった。

「そうですか、ここまでしてもらったのにこの手錠をはずすことはできませんか。」ラビィの耳はしおれる。

プリンセスは憂い気にため息をつく。「とても頑丈な手錠ね。」

ふとプリンセスの耳元にクラウンクリスタルのピアスが光る。彼女の横顔はすっと清楚で色白く美しい。リアルプリンセス。

ラビィはプリンセスと目が合って、ラビィは赤くなった。ごまかすために

「きれいなピアスですね、ダイアのようだ。」と言った。

プリンセスはふふっと笑って、「あなたの手錠はダイアのごとき手錠ですわね。」と言い、二人は笑いあった。

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