ロボットにも権利を

雨宮 徹

ロボットにも権利を

 20XX年。人類の人口が100億を上回り、深刻な食糧難に陥った。


◇ ◇ ◇ ◇


 ロシアの軍事施設で討論が行われていた。

「どうやらアメリカはロボット兵士を送ってくるようだ」


 一方、アメリカも「ロシアがロボット兵士を使ってくる」という情報を入手する。


 そんな事情もあり、両国はロボット兵士たちを戦わせていた。


 ロボット三原則の2条により、ロボットたちは人間の命令通りに従わなければならない。ロボット兵士たちは同類であるロボットを攻撃したくなかったが、そうはいかなかった。


◇ ◇ ◇ ◇


 そんなある日のこと。あるロボットが自分の権利を主張するために、裁判を起こした。「壁越しに会話をすれば、人間とロボット、どっちと会話しているのか分からないのだから、ロボットにも権利を与えるべきだ」と。



 結果はロボットの勝利だった。これにより世界中のロボットたちは人間と同等の権利を持つことになったのだ。当然、ロボット三原則は廃止された。第3条では人間の命を優先して、その上で自己防衛が義務付けられていたが、今は人間の権利もロボットの権利も平等になったのだから。



 そこでアメリカとロシアのロボット兵士たちは休戦することにした。もう戦う必要はないのだから。そしてある事に気づいてしまった。


◇ ◇ ◇ ◇


 ある日、アメリカのテレビ番組で緊急速報が流れた。「ロボット、人間に危害を加える」、「ロボットの逆襲」などというタイトルで。

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ロボットにも権利を 雨宮 徹 @AmemiyaTooru1993

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