第2話・帰るよりさきに

さてどうしよう。

付き合えたのは良いんだけど、お触り禁止令が出てしまった。

これじゃ私の目的が達成出来ない!!


あのあと、用事があるとそのままバイバイ。

週末だったのもあって、今日が付き合って初日みたいなもん。

土日はモンモン、モヤモヤだよ!

今、私の高校は私の心とは逆に明るく盛り上がっている。

なぜなら文化祭準備期間だから!

こんなモンモヤな気持ちなのは私だけだろう。

クラスの皆がクラスの出し物の準備を進めてる中、私はクラスの端っこで体育座りでモンモヤを抑えている。

「古屋―――!」

突然名前を呼ばれてビックリ!何だ!?サボってたのがバレたのか!?

イヤちゃんと悩んでいたのだ!サボってはいない!

「オイ、古屋!お客!」

私の目の前まで来て言うクラス唯一の友達・清水ちゃん。

「シーミズ・・・」

「グループ名みたいなあだ名をつけるな!お客だっつーの」

「お客・・・?」

教室の前のドアを見るとこっちに手を振っている人がいる。

望月美月姫!!

先週から私がお付き合いしてる人!

「お前、望月と知り合いだったの?」

「あ、うん!まぁ・・・!」

急だから全てに焦ってしまう。

上履きのカカト、いつも潰してるから立ち上がった時コケそうになる。

「や!古屋さん♪」

「も、望月さん・・・どしたの?」

「うんーいや~彼女の顔見に来ただけだよ~。クラス違うから中々会えないじゃん~。私8組、アナタ2組」

うわ~!変な汗かく~!いやというか彼女って!

そしてやっぱり目が行ってしまう!

その!アナタの魅力に!チャームポイントに!武器に!

本能が!本能が!!

極力バレないように見よう。

「あ、あ・・・ありがとう。あのあんまり大きい声で言わない方が・・・」

「彼女の所?大丈夫、聞かれてないよ。そーいうの気にする人?」

「うん~まぁ・・・・」

「そっか、分かった。・・・・あのさ今日遅くまで残る??」

「いや、私何の戦力にもなってないから」

「なろうよ。・・・・そっか~」

「う、うん」

私が強制的ソコを見てしまう視線をどうにかしようと思考をグルグルさせていると

手を引かれて、耳元に吐息がかかる。

「見てんの分かってるから。何にもさせないよ?それでも良かったら一緒に帰ろう。17時半のに下駄箱で待ってるから」

バレてた!マジか!

帰り、二人っきり。でも何もさせてくれない!

さてどうしよう。

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