第19話 反魔王派魔獣戦線の終焉
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エステライヒ軍制式の105mm軽野砲に対応する白リン弾、ガス弾を召喚魔法で調達し、全員がガスマスクを装着したことを確認後、綿密な調整を経て、『反魔王派魔獣戦線』の要塞に向かって砲撃を開始した。
白リン弾が炸裂する度に、激しく燃え上がる炎は簡単に消えることなく、続いておびただしい量の白煙が充満して燻しあげ、更に駄目押しの催涙ガス弾の着弾により、要塞に籠る彼らの阿鼻叫喚の悲鳴が響き渡る。
テロリスト相手に人道も条約もクソも関係ない、意地を見せた代償ってものをきっちり払ってもらうだけに過ぎない。
最初は激しく反撃していた彼らも、次第に無力化しつつあり、今度は放浪の魔女であるクソチビポメ柴こと、ヒナコがガスマスクを装着して魔女の箒(今度はT型ほうき)に跨がって飛び立ち、要塞に接近……魔法を唱えた彼女は、上空から最早致死量レベルの催涙ガスをばらまいている姿が、煙の合間からちらりと確認できた。
さて、あとは俺とナギ姐が煙に紛れて突入し、ヒナコと合流して制圧すればクリアだ。
長物は邪魔だと言わんばかりに、ナギ姐は大太刀とFN FALをウィラに預け、抜き身の鎧通しとブローニング HPを携え、ガスマスクを装着してゆっくりと前進。
一方の俺は、RPG-7を除いたいつもの装備、AKM、マカロフ PM、軍刀(脇差しサイズ)、ナイフを数本といくつかの手榴弾と言ったところだ。
お互いにガスマスクを被っているので表情はわからず、代わりにハンドシグナルで合図を送り合い、『反魔王派魔獣戦線』の要塞に突入する直前、上空に向かって発光信号を送れば、すぐにヒナコも合流した。
地上に降り立ったヒナコは、その手に持ったT型ほうきを手品のように消し去り、血塗られた魔法の杖とジェリコ941に持ち替えた。
ここからはもうなにも言うこともない、死に損なった奴らを見つけ次第、導いてやるだけって訳だ。
状況次第で銃を使うか、刃物を使うか、打撃で殴り殺すかのいずれかであり、ナギ姐は的確に鎧通しで急所を突いて楽にしてやっている。
鎧通しで急所を突き、捻ってから抜いた直後に垣間見た、手の震えは相変わらずか……あとでケアが必要だな。
ヒナコは血塗られた魔法の杖を振り上げ、何度も振り下ろして倒れた相手の頭を叩き割り、もう動かなくなっているにも関わらず、彼女は血塗られた杖に血化粧を塗り重ね、振り上げては下ろすことを止めずに繰り返し、ようやく落ち着いたところで次の標的を見つけ、また繰り返している……重症だ。
『TANG!……TANG!……TANG!』
俺も無力化して動けなくなった敵、あるいは瀕死の敵を見つける度、正確に頭を撃ち抜いて介錯し、そのうち弾も勿体無くなってきたものだからさ……AKMを振り上げて何度も敵の顔面に銃床を叩きつければ、やがては動かなくなったのだ。
三人がそれぞれ、『反魔王派魔獣戦線』の残党たちに最期の手向けを続けているうちに、クリア条件を満たしたのか……出口の扉が開いた音がした。
ようやく終わったよ、問題はこのあとだけれどね?───。
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