拾陸話
任務から数日後、俺は校長のレノム・ルーベルトから呼び出され校長室にへと向かった。ノックをし部屋に入ると、奥にあるデスクの椅子に座っていた。
「やぁ、名城弥ツカサくん 今日は来てくれてありがとう」
「こちらこそ、呼んでいただきありがとうございます あの、どうして俺を呼んだんですか?」
「うむ 君はインフィニティというものを聞いたことはあるかな?」
「いいえ なんですかそのインフィニティって言うのは」
(流石に、知ってるなんて言えないよな)
「最近、不可解な事件が多発しているのは勿論知っているよな」
「それに関しては、薬物投与による殺人事件や各国への謎の攻撃 規模も種類もバラバラで一貫性が無いから同一犯ではないかもしれないってなってるんですよね」
「その通り しかし、わしらはそれを同一犯によるものと踏んで居る」
「何故です」
「これを見たまえ」
そう言うと校長は数枚の写真を机の上に置き、俺に見せた。その写真には、数字の8に縦線を引いた記号がどの写真にも壁や地面にペイントされていた。
「これは?」
「おそらくは、インフィニティの組織のマークだろう インフィニティが関与しているものは確実にこのマークが残されている」
「なるほど このマークが でも、それが俺と何の関係が?」
「君の模擬試合などから期待できそうな人材だと踏み、君を私たちの組織に招き入れようと思っているんじゃ」
「組織ですか それはインフィニティって言うのを止めるための組織なんですよね」
「そうじゃ それで君には我々と協力してほしい」
校長は俺に頭を下げた。どうやら本当に協力してほしいらしい。だがどうするか、組織自体こっちも持ってはいるが情報源が乏しい。情報に関したらこっちよりかは掴んではいそうだしな。
「わかりました ぜひ協力させていただきます」
「おぉ‼ そうか! ありがとう」
「それで、組織とやらはどうゆうものなんですか?」
「とりあえず来てもらった方がいい」
校長に案内され、向かった先は何の変哲もない多広場の花壇用の倉庫だった。校長が胸ポケットからカードらしきものを取り出し、扉にあてた後扉を開けると下に続く階段が現れそこを降りて行った。下まで付くと円状のテーブルに数席ありそして、一人椅子を一列にしてそのうえで寝ている人がいた。
「ZZZZZ……」
「ヴァロス……ヴァロス……起きるんじゃ」
「ZZZZZ……」
「仕方ない……」
校長は、ヴァロスと呼んだ人が横たわっている椅子を真ん中から引き抜き最終的に上下1つずつだけになった。しかし、ヴァロスは2つだけでもまだ寝ていたので、腹に一発軽くグーパンを入れた。
「痛ってぇ――‼ ゴホゴホ…… あ、あれ? 校長じゃないっすか……どうしたんすか?」
「どうしたもあるかいな 例の生徒を連れてきたんじゃ」
「彼がっすか……変わった奴っすね」
「ははは……どうも……」
「どうもっす うちは、ヴァロス・メインバーっす 一応ここでは上から3つ目をやってるっす」
「よ、よろしくお願いします」
(上から3つ目がこんなやつって大丈夫かいな……)
「一応メンバー全員には知らせておきましたっすよ」
「仕事が速いのはいいことだが早く起きることもしておくんじゃよ」
「すいませんっす……」
俺と校長は椅子に座り、ここ最近の活動やインフィニティが何故発足したのかについて話を聞いた。どうやら、話によるとインフィニティ自体元々は悪の組織ではなく表舞台で活躍し、特に医療関係に従事していたようだった。しかし、ある事故をきっかけに組織は表舞台から姿を消し現在に至るそうだ。
「なるほど でも、その事故って何だったんですか?」
「人工的に魔素量を上げる薬品、そしてその装置の開発時に実験台になった一人の女性が暴走し施設ごと爆破したんじゃ」
「そんなことしてたんですか」
「ああ、消防などが調べた結果、科学者は全員死亡、女性の遺体だけ見つからなかったそうだ おそらくは脱出し生き延びたんじゃろう」
「そうだったんですね それで、ここの組織ができた理由は?」
「インフィニティについて、妙な噂を聞いたんだ 当時のメンバーが集められもう一度あの実験を再開していると それを聞いて、いてもいられなくなってなこの学園の元生徒らで頼りになる人材を集め、情報を集め、組織を止めることを目的とし設立したんじゃ」
(まぁ理由もあらかた分かったし、協力しない方がおかしいよな)
「わかりました 俺も俺でできる限り手伝わせていただきます」
「ありがとう名城弥ツカサくん」
その後、小一時間ほど地下室の資料室を見て回り帰宅した。そして、夜に連絡役の柊さんに接触した。俺は今日の出来事をあらかた伝え佐奈に伝えるように言った。
「分かりました、それでは伝えておきますね」
「うん、よろしくお願い」
柊さんが窓から、飛び降りると鳥に姿を変え飛んでいった。
「へぇ~ 柊さんって変身できる能力なんだ」
「それで抜擢されたんだ 連絡役として彼女自身、隠密行動も得意だからな それで、さっきの話だが」
「うん、校長直々の組織に入ることになった デメリットは少ないけどあんまり下手に喋れない状況下ではある それに他言無用だし」
「いいのか?俺にそんな話をして」
「大丈夫だから話してるんだよ…… そろそろ何かしていかないと相手の予定通りに事が進む、それだけは止めないと」
「そうだな 俺は寝るからあとはどうぞ」
「わかった」
(こんなことさっさと終わらしてゆっくりしたいよ……)
異能力を使わなくてもフィジカルだけで生き残るから 白江瀬名 @sena2261
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます