第20話


私は生まれてこなければ良かったと実の親にも色んな人に私はいつものように過ごしていた。私は幼い頃に顔に医者から一生消えない火傷を負ってしまった。






それでもし、他の人たちが優しくしてくれたらまだ救いがあったかもしれない。けれど現実はあまりにも非道であった。物心ついた時から私はイジメを受けていた。そしてそれを助けてくれる人は誰も身内におらず、私は必死に生きていた。






けれどもろくにご飯もくれずに常にお腹が空いていた。私は少ない金を持ってコンビニ来ていた。何か、あるかなと探していると私に声を掛けて来たのである。私は誰と思いで振り返るとそこにはコンビニ店員がいたのであった、見た目からにしてとても優しそうにしていた。






私が小学三年生と言うこともあり余計にそう感じていると優しい声で話しかけて来た。






「どうしたの、お嬢ちゃん?本来ならお嬢ちゃんが来て良くない時間帯だけど何か親に頼まれ物があるのかな、教えてくれば持ってくるけど」






目的は食べられそうなものだったので食べ物と言うと私を見てきた、やはりこの人も顔で判断する人なのかと諦めようとしていたら意外な答えが帰ってきたのだった。






「やはりそうか、体がかなり痩せているから気になって声を掛けて正解だった。それで食べられそうなものか、お握りやパン辺りが良いかな。お嬢ちゃんはどちらが望み?」






今まで受けたこともない対応されて私はつい、どうしてこの顔が気持ち悪くないのですかと聞いてみるとコンビニ店員は素直に返事を返してくれた。






「いやいや、そんな顔で判別することは俺は嫌いでね。それにその顔だってお嬢ちゃんが望んでそうなっていないはずだからそれで判断するのは可笑しい事だからな、お兄さんは気にしていないから」






そう言って明らかに私を差別してくる人たちとは違う表情に対応をしてくれた。でもあんまり現金を持っていないから一つぐらいしか買えないので気にしないで下さいと伝えるとそのコンビニ店員はそうか、ならお兄さんが少しだけ奢ってあげると言って走り去ったと思うとすぐに帰ってきた。






財布を取りに行っていたらしく、全然知らない私のためにコンビニ店員さんは千円分ほど私に奢ってくれたのである。私は何度も頭を下げて感謝を言うとコンビニ店員は別に大した金額ではないからと言って仕事に戻るからお嬢ちゃんも真っ直ぐに家に帰るだよと言ってその場から立ち去った。






私は家に帰っても辛いだけだけど先程の兄さんに迷惑をかけられないと思いで家に帰った。家に帰っても私のことを心配してくれる人はおらずむしろ邪魔扱いであった。






家族は父親、母親に姉がいて四人家族だったけど私はいない扱いをされていた。こんな醜い見た目をしている私を娘と思いたくないだろう、姉は親から色んなものをお願いすれば手に入ったけど私は何も手に入らずにいた。






食事だって・・・先程のコンビニ店員みたいにあんな風に優しくしてくれたのは初めてであった。私は生まれてこなければ良かったのかなとも考えていたけど、あのお兄さんはそれを否定してくれた。それからもお兄さんに奢ってもらったことも多くあり、そしてお兄さんが自ら作った料理をご馳走してくれた。






私が欲しかったものを必死になっても手に入らなかった物を全て、お兄さんは与えてくれた。食事、洋服もそして人の優しさを親からも友達からもくれなかった優しさを全てお兄さんから貰った。泣きたい時も全て受け止めてくれた、闇しかなかった私の心に光を与えてくれた。






そうやって人の温もりを与えてくれたコンビニ店員のお兄さんに甘えるようになった。お兄さんが働いている時はいつも通うようになり、お兄さんはこちらの気も使ってくれていつも暇な時に話しかけて楽しんでいた。






そんなある日に私は兄さんの元で買い物しようと並んでいた時に横から別のお客さんが割り込んで来て私はあの・・・と言うと何だこの化け物みたいなクソガキと言われて私は黙り込んでしまった。そうして割り込んだ人がお兄さんの元に向かった時にお兄さんが先程の人に対して話した。






「申し訳ありませんが横入りは他のお客様にご迷惑なりますのでお辞めになってください」






「なんだとこの野郎!俺はお客様だぞ、お客様は神様じゃないのか!!クソ店員が!!!」






こちらに言われているはずでは無いのに怒鳴り声が怖くて怯んでいるとお兄さんは笑みを浮かべながら返答したのだった。






「そうですね、お客様は神様ですよ・・・ですけど疫病神はお断りをさせて頂いておりますのでどうか、お帰り下さい、疫病神様」






そう言うとクソガキがと言ってお兄さんを殴ろうとしたけどお兄さんは避けた上に相手の腕を掴んで笑みで疫病神様、困りますよ。他の神様もいますのでお帰りして頂かないと、言いながら見つめていた。すると先程の怖い人がいたいた痛いと言って悲鳴に近い声を上げていた。






そうしてお兄さんを攻撃した人はそのまま逃げ出したのであった。それを終えるとお兄さんは大変お待たせ致しましたと言っていつも通りに作業を再開した。






その後に私はお兄さんが仕事を終えるまで隅で待って今夜は一緒に帰りたいとお願いしてみるとお兄さんは分かったよと一緒に帰ってくれる事になった。






私の今の楽しみはお兄さんと一緒に帰ることでそれ以外は何も楽しめずに辛いことばかりだった、その事を今夜に話そうとしていたら夜道で暗い場所に入ると先程の怖い人がまた会ったので怖いなと思っているとお兄さんが俺から離れないでね、お嬢ちゃんと言われたので何でと思っていると後ろからも前にいる怖い人と同じぐらいに怖い人が現れて私はお兄さんに抱きついた。






「どうしましたか、疫病神様。荷物はしっかりと持ち帰ったのはこの目で見ておりましたので落とし物はございませんよ」






「別に落とし物ではないよ、あれ程に人前で屈辱なことをした野郎に落とし前をつけさせてやろうと思って待っていただけだ」






「・・・疫病神の貴方を含めて前に三人、背後に二人で合計、五人ぐらい入るな。よくこんな短時間で集めたものだな、その点だけは感心するよ」






お兄さん、そうなると私達は五人の男たちに包囲させていることになるですけどと伝えるとコンビニ店員のお兄さんさんは心配するなすぐに終わるからと笑みを出してくれていたけど勝ち目なんてと思っていたら背後にいると言っていた男、二人がお兄さんに襲いかかってきた。






しかし、コンビニ店員のお兄さんは後ろにも目があるよと言うばかりに攻撃を避けて反撃した上に襲いかかってきた二人を前の方に投げ飛ばした。す、凄い力と思っていると静かにコンビニ店員のお兄さんがお嬢ちゃん、背後が誰もいないから逃げるなら今の内だよと伝えられた。






ここに残ればコンビニ店員のお兄さんの足手まといになってしまうことはすぐに理解できたので私は迷いもなくその空いた背後に向かって走り出した。後ろから聞いたこともない音が聞こえてきたけど私は振り返る事はせずにひたすらに走り続けた。






しばらくしてからコンビニ店員のお兄さんが戻ってきて何とかして倒してきたから安心してほしいと言われた。お兄さん、強すぎと思いながら私は今度こそ今現在に置かれている状況を説明するとコンビニ店員のお兄さんが真剣な顔をして、もしそれが本当なら警察に頼りなと言われた。






そこまでひどい状況で追い込まれているなら警察も動いてくれるはずだからと真剣に話しており、今からでも警察の場所に向かうと聞いてきた。私は少しでも今より良くなれば良いと思っていたので私は承諾してともに警察がいる場所に向かった。






それからは警察の人が私の姿に今までされてきた事をすべて話して対応をしてくれた。すると調べれば調べるほどにあまりにも悲惨な状況に置かれていることに警察の人たちも真剣に取り組んでくれて私は孤児院に迎え事になった。






もちろんそこでも私と仲良くしてくれる人はいないかもしれないけど少なくても食事は出てくる上に服もある程度に用意してくれるのだ。今を考えたらかなり良い状況になった。






それを見届けてお兄さんはこんな歳が離れた人と付き合うではなくて同い年の子と付き合うと良いと言われた。見た目を気にしないで必ず仲良くなってくれる人は現れるはずだからその人のことを大切にすればきっと君が困っている時、必ず助けてくれるからと私に言い残してその場から立ち去ろうとしているのが理解できた。だから私はその前に私の思いを伝えたのである。






「こんな醜い私ですけど・・・私はお兄さんの事が大好きです。大きくなったら結婚してくれますか」






「ハッハッハ、こんな幼いお嬢ちゃんから告白されるとは俺も捨てたもんじゃないかもな。分かった、その思いが二十歳を超えても思っているなら付き合ってあげるよ。でも兄さんは忘れやすいからな、君もそのうち忘れるかもしれないけどね」






いいえ、私は絶対に忘れませんから私に光を与えてくれた恩人であり・・・初恋の人の事を忘れたりしませんと思いながら別れる最後にお兄さんの名前はと尋ねるとコンビニ店員のお兄さんは笑顔で私に教えてくれたのだった。






「俺の名前は・・・里見竜輝さとみたつき、でも忘れてもらっても構わないからね」






そう言い残してコンビニ店員のお兄さん・・・私の初恋、里見竜輝さんは私の前から姿を消したのである。それでも私は決してお兄さんのことを忘れない、この目が竜輝さんが見えなくなるまで私は見つめて見送るのだった。






それから私はお兄さんに相応しい女性になる為に努力を始めた、この顔はどうする事もできないけどそれ以外なら出来ると私はそう決めて取り組んだ。家事や勉強、運動などして他の者達よりも優れるように頑張った。そしてお金も貯め始めたのである。






最初はバイトなどで集めていたがその後に投資などで儲けては貯めての繰り返してで数千万を貯めることに成功した。そして大学卒業間近に私はお兄さんが働いている会社を見つけだしそこに入社する事ができた。顔は包帯などで隠して少しでも良い印象を与えようと再び、頑張るのだった。








私は過去を夢で見ていたようで私は只今、あの夢にでも見たお兄さん、竜輝さんと一緒に同居しているのだ。ここまで頑張ってきたかいがあると言うものである。それにどんな名医でも治せないと言われていた顔の火傷も竜輝さんのお陰で治すことができた、その上に私の見た目はかなり美人らしい。






正直に言って私は長い間も顔の火傷がある状態で生きてきたのでどうも分からないけどみんなが美人と言うならきっと竜輝さんも気に入ってくれるはず。






そう考えたらこれからの竜輝さんとの楽しい思い出が作れると考えたら頭が可笑しくなりそうであるけど一つばかり気になる事があるのだ。






それは最近、私を遠ざけているような気がしてならないのだ。気になった私は竜輝さんの後をついて行くことにした。もう顔の火傷は完治しており向かう理由がなくなったからそれに竜輝さんから別の女の匂いもしていたので誰が私の大切な竜輝を奪おうとする敵を知る為にも竜輝さんにバレないように尾行した。






そうして尾行すると神社らしい場所に辿り着いた、ここはと思いながら階段を上がっていくと上の方で楽しげに話している竜輝さんの声が聞こえてきた。






間違いない、ここに竜輝さんを惑わしている化け物がいると思い隠れてそれを確かめてみるとそこには妖狐と言うべき存在がいた。






なるほど人を惑わす妖怪、まさにその通りだと思いながら見ていた。そして明らかに竜輝さんは銀色の妖狐に対して好意を表していた。






・・・・アイツカ、私ノ竜輝サンヲ惑ワシテイタ妖狐ハ絶対ニ許サナイ。






私はあの妖狐を殺す方法と竜輝さんを私なしでは生きられないほどの依存をさせる方法を考えて殺意を出していた。






竜輝サン、モウ少シバカリ待ッテイテ下サイ、邪魔者ハ私ガ片付ケマスカラ!!






私の思い


運命の人と出会った!


こんな私でも愛してくれる!


理想の人であり私は必ずあの人の隣に!


邪魔な害獣は駆除してやる!!!

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