第14話 光の神の魔石をゲット!!
ロアンは、地の力と風の力が複雑に絡み合っていた、神剣の間の扉の結界を見事に突破。ついでに風の
神は、悠然とそこに立っていた。
この部屋の主であることを主張しているように部屋の中央に人型になって、ほんのりと銀色の光を纏わせて、薄いローブを身につけていた。
余裕のある微笑みを浮かべており、ロアンは、いっそう怒りが増した。
「おい!! こんなものしか出来なかったぞ!! やっぱり、女のあたしには無理だ!! 今すぐに命令を取り下げて、あたしを学び舎に戻せ!!」
ロアンは神の前までズカズカと歩いて行って、ペーパーナイフの作りそこないを目の前に出して言った。
光の神は、ヘンテコな鉄くずを渡されて困惑した。
『そなたくらいのものよ? 我に敬意を払わぬのは……我の決めたことがが気に入らぬとは、珍しいおなごだ。
この鉄くずからは、パーシアの息吹が感じられる。約束を守ってパーシアの息吹で作っているようじゃないか。何が不足だ』
「女のあたしに鍛冶は無理!! ってこと!! それから、火竜の息吹を炎華石にしても、温度が高過ぎてなおかつ、冷めるのも早いわ!!」
『その辺の温度調整は、自分で考えるものだ。そのために、そなたには人間の鍛冶職人を側につけたのだ』
神は、ロアンの様子を知っているようであった。
(うぅ……さすが神……)
『パーシアの息吹を炎華石としたか……さすがに、魔石を作るのが得意なだけある。だが、温度は考えねばな。水の
「でも!! あたしは、そんなことに向いてないの!!」
「分かった。分かった。何年かかっても良い故に精進せよ。剣を奉納した暁には、そなたの願いを聞き入れよう。それで良いな?』
「神様が、あたしのお願いを聞いてくれるの?」
『こう度々、神殿に乗り込まれてはたまらぬからな』
光の神は、優しく答えた。その時に、神の纏っていた銀色の光が揺らいだ。ロアンは、それを見逃さなかった。
『光の神の力、魔石となりてこの手に来たれ』
数十個の石が神殿の間に降り注いだ。
「ラッキー!! もらって行くね~」
ロアンが、石を拾うのに夢中になっている間に、彼女は神剣の間から強制退去させられ、ロアンの拾った魔石も無くなっていた。
『今度来る時は、魔法剣の出来た時ぞ。それまでは、銀の森にも出禁ぞ』
ロアンの頭の中に、光の神の大きな怒号が響いてきた。
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