作品1:『メモリー』 凪志織・著

抽選日時:4月21日 14時

応募総数:42作品

有効応募数:26作品

優先応募作品:4作品

※今回は優先枠です。抽選日時点で☆0だった4作品の中から選ばせて頂きました。


作品タイトル:メモリー

著者:凪志織

https://kakuyomu.jp/works/16818093075757547444


全1話 完結作品

6853文字

ジャンル:詩・童話・その他 (タグにSF)



 この作品を一言で表すなら、ちょっと悲しいお婆ちゃんの物語です。ジャンルが『詩・童話・その他』になっていますが、どちらかと言うと童話よりSF寄り、若しくは人間ドラマ・現代ドラマに近いかも知れません。


 一人で暮らす高齢の母親を心配して、息子が贈ったプレゼントは、見守りロボットの『ニコラ』でした。高性能なこのロボットは、日本語をよく理解し、人間とコミュニケーションを取り、生活のサポートをしてくれます。主な任務は、寂しい老人の話し相手になり、体調やスケジュールの管理を行い、息子との連絡係になる事です。

 見守りロボットの二コラと、寂しい一人暮らしの老母の共同生活。ニコラの存在は、老母の暮らしを温かく豊かにしてくれます。そんな温もりのある優しい物語ですが、果たして結末は……?

 初めての募集で、内容、特に結末部分のネタばれをしても大丈夫かどうか、確認を忘れておりました。ですので今回はネタバレを控えて、結末は本編にてお読み頂く事にします。気になった方は是非、本作をご覧になって下さい。自分がお婆ちゃんっ子でしたので、こういう話は胸に刺さります。自分と同じように、祖母の思い出のある方や、家族愛、じんわりくる話がお好みの方に、特におススメします。


 作品全体、非常に簡潔な文章で纏められていて、サッと読めます。難しい文章や漢字・言葉、あるいは妙な言い回しをしたがる作者もいて、割合に多いように感じます。ですが本物の良い作品とは、遠回りで堅苦しい表現を使わず、シンプルな言葉を選ぶものです。誰もが知る有名作家の百田尚樹の言で、昔、別の有名作家も作中に書いていたと記憶していますが、本当の知者は難しい物事を簡潔に説明する、みたいな話がありました。難解な話をそのまま難解に説明したり、より難しくするのは誰にでも出来ますが、逆に誰にでも分かるよう噛み砕いて説明するのは難しいと。肩肘張らず、変に格好を付けず、シンプルで分かり易く描かれた本作は、その点でも良作だと思います。

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