第6話 ヒーローショー②前編

 あれから1週間経って、日曜日になった。


 歩美さんからのL●NEメッセージは焼き鳥屋に行ってからゼロ。

 勇気を出して僕からメッセージ送っても既読無視。

 

 もう関わりたくないのだろう。

 こんなキモオタクなんかに。


 卑屈になってしまった。

 

 気持ちを切り替えて今日はヒーローショーを観に行くのだからポジティブにならないと。


〈ペチン〉と両手で顔を叩いた。 


 よし大丈夫。今日は楽しむぞ。


 身支度をして出掛けた。


 今日のヒーローショーの会場は遊園地だ。


 前に行ったヒーローショーの会場も遊園地だが、別のところだ。


 ヒーローショーが始まる30分前に来たので、トイレで用を足した。

 

 終わったら、ヒーローショーの会場に向かった。


 会場に到着した。


 まだ準備中だった。


 待っている間にスマホで今日のヒーローショーについて調べた。


 今日のヒーローショーのタイトルは『超能力戦隊サイキッカーズ』だ。


『サイキッカーズ』はオリジナルテレビアニメのヒーローだ。


 5人の戦隊で色は赤、青、ピンク、緑、黒だ。


 この戦隊は元々超能力が使える人達という設定だから変身はない。普通の私服だ。

 唯一のヒーローらしさはフルフェイスのヘルメットをして覆面なところだけだ。

 ヒーロースーツではなく私服で戦うのは新しくて僕はいいと思った。


 次は登場人物について説明しよう。


『サイキッカーズ』のメンバーについて。


『サイキッカーレッド』本名は鈴木すすき 烈斗れっと 

使える超能力は【パイロキネシス】火を発生させて操る。


『サイキッカーブルー』本名は青八木あおやぎ 竹流たける

使える超能力は【テレキネシス】意思だけで物体を動かす。


『サイキッカーピンク』本名は田中たなか 胡桃くるみ 

使える超能力は【テレポーテーション】自分自身が離れた場所に瞬間移動できる。


『サイキッカーグリーン』本名は翠川みどりかわ そう 

使える超能力は【レビテーション】自分自身、他人、物体を空中に浮かせる。

 

『サイキッカーブラック』本名は 畔田くろだ りょう 

使える超能力は【ヒーリング】通常の医学によらずに病気や怪我の治療ができる。


 敵について。


 『サイキッカーズ』と同じく超能力だが、誰かのためにではなく私利私欲のために使う超能力者。


 超能力者vs超能力者という同じ立場でも価値観が違えば、正義と悪どちらにでもなるのだという危うさがこの『サイキッカーズ』の良さだ。

 

 僕は録画をして視聴している。


 ····あ、心の中で語り過ぎた。もうヒーローショーが始まるのだから落ち着こう。


 ヒーローショーが始まった。


 ····ん、あれ。あの人見覚えがあるな。


 僕はかけている眼鏡を綺麗きれいにしてからかけて、同じ方を見た。

 

····あ、あそこでヒーローショーのお姉さんをしているの歩美さんじゃないか。


 




 


 


 

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ヒーローショーのお姉さんに恋するキモオタ 太った眼鏡 @doob7m

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