・長月瓦礫「真新しい靴がステップ」

→https://kakuyomu.jp/works/16818023213721078135

　明日から高校に入学し、ルンルン気分で歩いていく少女・有明海。彼女の唯一普通じゃないところは、靴以外が透明になってしまう事だった。大変な運命を背負ってしまった少女による、一つの出会いを描いた現代ファンタジー。

　長月さんは二〇二一年の同題異話四月号から、全て参加していただいております。正確には、二〇二〇年の香鳴裕人さんによる同題異話SRから参加していますので、同題異話自主企画では、中々の参加数を誇る方だと思います。参加作品は、現代ファンタジーが多いですが、現代ドラマ、SF、異世界ファンタジーと、幅が広くてよりどりみどりです。

　本作は、八〇〇文字ちょっとですが、たくさんの要素が含まれています。要約してしまえば、風変わりなボーイミーツガールなのですが、少女の有明はもちろん、少年側にも諸事情ありそうな気がします。

　そして、靴以外が透明になってしまったという大変な状況ですが、有明には悲壮感が全くありません。外で散歩していますし。そこらへん、好みは分かれるのかもしれませんが、どんなことがあっても、等身大で青春を楽しむという姿勢が、私はとても素晴らしいと思いました。