異世界綺譚 ~林檎がきらいだったら魔法はなかった~

@ksyasymp

前日譚

前日譚 <イン・ア・ガダダ・ヴィダ>

この世界には人類の起源、また魔法の初出として古来より聖書として人々に崇められ信仰されてきた物語、及び書物がある。


その名を In-A-Gadda-Da-vida <イン・ア・ガダダ・ヴィダ>という。


以下はその人類、また魔法の起源についての章、<創造>と<堕罪>の一部を抜粋したものである。






<創造>


神は地から己の形を模した人を造りあげ、命を吹き込んだ。神は人をエイダムと名付け、神の楽園に住まわせた。


神は人に命じた。「君はあらゆる樹の実を食べてよろしい。しかしあそこの樹からなる知恵の実だけは食べてはならない。




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神は孤独であるエイダムを見かねた。そこで神はエイダムのあばら骨を一つ取り、新たな人を造りあげた。神はこれをイヴァと名付けた。これにより男と女ができた。






<堕罪>


神の楽園に蛇がいた。蛇は狡猾であった。蛇はイヴァを唆し、知恵の実を取らせた。高い所にあったので、エイダムと共に取らせて、食べさせた。


イヴァとエイダムは裸でいることを恥じるようになった。二人の身体には魔力が宿った。


神はその二人を見て怒り、楽園から追放させた。蛇は腰を取られ、腹這いでの移動を強制された。


楽園を追放された二人は、手に入れた知識と魔法を用いて現在の人類にまで繁栄させた。




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以上が聖書の大まかな内容であるが、この話には噓があるとされている。しかし人類はどこが噓であるのか、また噓が存在するのかどうかを知らないでいる。

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