八甲田山のギロチン仮面

第27話 遺された手がかり

八甲田山の朝は静かに明け、水松つぼみは前夜の衝突から回復しつつ、新たな手がかりを手に何ができるかを考えていた。彼女が確保した通信機器には、ギロチン仮面と疑われるグループのメンバー間のコミュニケーションが詳細に記録されており、その情報はこの謎を解く鍵となる可能性があった。

つぼみはこの通信機器を警察の技術班に渡し、データの解析を急いで行うよう依頼した。分析中、彼女は自らもその内容を詳しく見て、犯行グループの計画や目的、さらには彼らの次の行動が示唆されている部分に注目した。

分析結果から、グループが近々大規模な行動を起こす計画を立てていることが明らかになった。彼らのターゲットは八甲田山の主要な観光施設で、その破壊を通じて更なる恐怖を町に広めようとしているようだった。

この情報を受け、つぼみは即座に対策を講じることを決定した。彼女は警察署長と協議し、観光施設の警備を強化し、周辺地域のパトロールを増やすことにした。同時に、住民たちには注意を呼びかける通知を出し、不審な行動を見かけたらすぐに警察に報告するよう求めた。

その準備が整う中、つぼみは再び現場に足を運び、犯行グループの可能性のある動きを監視した。厳しい警備の中、予想通りに犯行グループの数人が施設に近づこうとしているのを発見し、すぐに警察に通報した。警察との連携により、彼らは現場で逮捕され、計画は未然に防がれた。

この成功により、つぼみと町の住民は一時的な安堵を得た。しかし、逮捕されたメンバーからの尋問を通じて、まだ解決されていない大きな疑問が浮かび上がった。グループの首謀者であると目される人物、すなわちギロチン仮面本人はまだ捕らえられておらず、その正体と動機は依然として謎に包まれていた。

つぼみは、この事件がただの犯罪以上のものであり、より深い陰謀が隠されていることを感じていた。彼女は解決に向けてさらに努力を重ねることを誓い、町の平和を守るために未知の脅威に立ち向かう覚悟を固めた。その夜、彼女はこれまでの出来事を振り返りながら、新たな展開に備えて必要な準備を始めた。