第2話 俺の初恋

これは俺が小学生一年生の話…


「待ってよ〜すーくん!」


「へへっ!追いつけるかな!」


俺は幼馴染の女の子と一緒に公園までかけっこしていた…


「やったー!また一位だぜ!」


「すーくん、速いよ〜」


「へへっ!勝負だからな!!」


俺は小さい頃から足の速さは、健在でよくその子と公園までかけっこして勝っていたっけ…


「よし!それじゃあ!どっちが凄いお城作れるか勝負しようぜ!!」


「負けないよ〜〜」


俺は砂場でその子にそう提案した。

結果は俺の圧勝だった。


「うぅ〜ぐすん、」


その子は、結果に納得いかず、泣き出してしまった。


「わかった、わかったから、泣き止めって」


「だって〜すーくん、いっつも私に勝つんだもん〜」


それでも彼女は、泣き止まない


「お前の好きなおままごと一緒にやってやるから泣き止めよ〜」


そう言うと


「本当〜!?」


その子が嬉しそうに目をまん丸にして言った。


「やった〜すーくん大好き〜!!」


その子が時折見せる最高の笑顔…俺はその笑顔に惚れてしまっていた…


「じゃあ!すーくんが、お父さんで、私がお母さん役やる〜!!」


俺たちは、いつもこんな風に遊んでいたっけ…

その子が転校してしまう前までは…


それは突然だった…

俺たちは、いつものようにブランコに乗っていた。


「すーくん…」


「どうした?」


ブランコが前後に揺れる…そんな中、その子から話しかけられた。


「私…どっか違う学校に行くことになっちゃった…」


……!!俺はブランコを足を使って止めた。


「どういうことだよ…それ…」


俺は意味がわからずそう言った。


「私〜すーくんともう遊べなくなるの嫌〜、すーくんとずっと一緒にいたい〜」


そう彼女が泣き出した…


「僕も…嫌だ…もう遊べないのは…嫌だ…」


俺の目から雫が落ちる…


その時…しばらく俺とその子は、ブランコに座りながら泣いていたっけ…


そしてその子が転校してしまう日がやって来た…


「ほらほら、すーくんに挨拶して…」


「嫌だ…すーくんと離れるのは…」


そう言ってその子は、お母さんの足にしがみついている…


俺は涙が溢れそうになるのを堪えてその子に言った。


「きっと…また会えるよ…」


「すーくん、今度会ってもまた一緒にかけっこしたりおままごとしたりしてくれる?」


彼女は、手で涙を拭いそう聞いた来た。


「当たり前だろ!」


俺は自信満々にそう答えた。


「じゃあ!約束!!」


「うん!約束!!」


俺とその子は、そう約束した。

その時、お互いが作ってた…木で作った指輪を交換した。


「絶対また会おうねーー!!」


「おーーーーーう!!」


俺は大きな声を出し、めいいっぱい手を振った。


懐かしいな…



「ばる…すばる…おい!昴ー!」


「うわ!」


俺は耳元で大きな声がしたので思わず驚いた。


「大丈夫か〜?お前?そんなにボーとして、さっきの指輪になんかあるのか?」


「へっ!いや、何にもない、大丈夫ー」


さっきの…指輪…俺が昔交換したものと同じ木で作ってあった。高崎さん…俺の幼馴染だったらしないよな…?


と言うものの、俺とその子は、あれ以来会っていない…お互いまた会おうと言ったのはいいものの、もうお互い高校生だ…その子が俺との約束を覚えているのかもわからない…


俺たちが教室に戻ると、すぐにホームルームが始まった…


「よしー!それじゃあ!まずは!自己紹介ーするぞー!」


なんで…この先生…こんなノリノリなんだ?


自己紹介は、一人一人教卓に出て行われる事になった…


主席番号順で武蔵の番になり、教卓に向かう!!


「みなさんー!こんにちはー!黒瀬武蔵って言いますー!!バスケットボール部ですー!好きな事は、ゲームと、バスケットボールですー!皆ー!じゃんじゃん!話しかけて来てね!!!」


そう武蔵がいい終わるとクラス内に拍手が起こる…さすが武蔵…


続いて三枝の番がやって来た。


「こんにちは!三枝剛って言います!好きな事は、ゲームと美味しい物を食べる事です!ぜひ話しかけに来てください!!よろしくお願いします!」


そう言い終わるとクラス内に拍手が起こった。


俺は拍手しつつ、もうすぐ自分の番が来る事に緊張していた。


「はい!次、鈴木くん!よろしく〜」


そう先生が告げる…


俺は勢いよく席を立った。






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