約束の指輪と友達の女友達

アカペン

第1話 親友の女友達

俺の名前は鈴木昴。普通の学生だ、特に突出した特技もないが…自分で言うのもなんだが、足が速いってことぐらいだ…


俺には…好きな人がいた…その子の名前は高崎穂乃果…容姿端麗…煌びやかに光る黄色い髪が凛と澄んでいて…そして誰にでも優しく…クラスの皆から好かれていた…俺にとっちゃ高嶺の花…のような存在だった。


しかし、その子は、俺の親友…俺の幼馴染のとても仲の良い女友達だった…


今日は高校二年生のスタートを迎える日、俺は新たなるクラスに期待を寄せてウッキウッキで準備をしていた。


俺は足早に準備を済ませ…家を飛び出した…


学校に着くと、玄関の前の広場に人がごった返していた。皆、クラス表が書いてある…クラス替えの結果に視線をやっていた…


「俺ー!Bクラスだった!お前は!?」


「Cクラスだった!」


そんな生徒同士の会話が響き渡る。


俺はひとまず一番端っこに貼ってあるEクラスの表に目を落とした。


鈴木…鈴木…ないか…


Eクラスには俺の名前はなかった。


それから順番にD、C、Bクラスと見て行った。

すると…痛っ!

俺は誰かにぶつかった感触がした。


「あ!ごめんなさい!」


そう謝られ俺も反射神経的に


「いえいえ!こちらこそ!前を見てなくて」


そう言ってぶつかった人を見る…へっ!?…たか…さきさん?

俺とぶつかった人は、俺の憧れの女の子高崎穂乃果だった。相変わらず彼女は美しい…その黄色い髪色は、とても似合っている…


「あれ?もしかして…?鈴木くん…?」


へっ?どうして俺の名前を!?

俺は驚愕した。


「へへっ!ごめんね!武蔵から鈴木くんの話よく聞くからーー!!」


武蔵…俺のこと…高崎さんに話していたのか…黒瀬

その武蔵こそ…黒瀬武蔵…俺の好きな人…目の前にいる高崎さんととても仲が良い、俺の幼馴染だ。


「穂乃果ー!早く来ないと先行っちゃうよー?」


「あ!待って〜じゃあ!鈴木くん、また今度どこかで会ったら、ぜひお話ししに来てね!」


そう言って彼女は、足早に友達の方に向かって行った。


俺は呆然と立ち尽くした…俺…俺…高崎さんと喋っちゃたーー!!(謝っただけ…)

なんだか…幸せな気持ちに包まれた。


てか、E、D、C、Bと見て回って俺の名前が無かったから…もう、Aクラス確定なのだが…一応俺はAクラスの表に目を落とすことにする…

やっぱりあった…鈴木昴…俺の名前は、比較的って言うかもう一瞬で見つけることができた。俺はどんな人と同じクラスになったのか気になり…クラス表をしばらく眺めることにした。


あ!武蔵!!同じクラスなのかー!!そこには幼馴染の武蔵の名前があった。あ!三枝もいる!三枝くんとは、高校一年生の時よく喋っていた友達だ。俺は仲の良い人と同じクラスになれて歓喜わ待っていた。そんな喜びも束の間…俺は一つの名前が目に入る…

高崎穂乃果…えっ!?俺、高崎さんと同じクラスになっちゃったの…!?俺は誰にも見えない程度に小さく拳をグーにして小さくグッチョブした。


俺は嬉しい気持ちを噛み締めて教室に向かった。そして俺のクラス二年Aクラス前に到着する…

ふぅー!俺は小さくため息をついて教室に第一歩を踏み入れた。すると


一人の男子生徒がこっちに向かって来た。


「昴〜!俺、お前と同じクラスになれて嬉しいぜー!!」


そう言って俺と肩を組んだ。その生徒は、武蔵だった。


「武蔵ー!お前は、相変わらずそうで安心した、俺もお前と同じクラスになれて嬉しい!!」


そう武蔵に言うと武蔵は、大きな声で雄叫びを上げた。


おいおい…声がでけぇーぞ…


その声にびっくりしたのか知らないが複数の生徒がこっちを不思議な目で見ていた。


「ちょっとー!武蔵ー!もうちょっとボリューム下げなよ〜」


そう高崎さんが武蔵に言った。


「悪い、悪い…歓喜わ待ってな…わは!」


相変わらず…武蔵は、武蔵だ…

思えば…武蔵と同じクラスになったのは…中学二年ぶりか…俺は武蔵と小…中…高…と同じ学校である。


俺はしばらく武蔵と会話して…黒板に貼ってある、座席表を見て…自分の席についた。


俺は、バックから筆記用具を取り出す…すると、武蔵と高崎さんが仲良くおしゃべりしている光景が目に入った。いいなー…武蔵、俺も高崎さんとあんなふうにおしゃべりできたなら…


そう思いつつ…俺はバックの中に視線を落とした。ん?これは?

俺はバックの中から一つの物を取り出した。

木で出来た指輪…

間違えて持って来ちゃったのか…


この木で出来た指輪は、まだ武蔵と出会う前…俺には幼馴染がもう一人いた…その子は女の子で、よく公園に遊びに行ったり…彼女のお家で遊んだり…すごく仲良がよかった記憶がある…そしてその子は俺の初恋の子だ。その子は、転校してしまったけど…また会おう…そうお互いに約束して…お互いが木で作った指輪を交換したんだった…


思えば…俺が高崎さんを好きになったのって…高崎さんの笑顔がその子に重なる所があったからかもしれない…


俺は懐かしいと思いつつ、しばらく初恋の子との遊んだ出来事を思い出していた。


そうしている内に先生が入って来た。


「あれー?先生が担任なんですか〜?」


そう武蔵が先生に質問した。


「まだ…担任かどうかは、わかりませんけど…私は臨時で始業式の前までこの教室を任されたんです。」


そう丁寧に説明した。


「それじゃあ!担当の先生教えてくださーい!」


そう武蔵が元気よく言った。

すると、クラスの中で笑いが起こった。


「それは…!始業式のお楽しみってことで!」


先生は笑顔でそう言った。


俺たちは、しばらくして、始業式をするため体育館に向かおうとした。席を立つと一人の生徒が男子に囲まれている…

あれは?確か……姫野風華って言うんだっけ…その子は容姿端麗…目に入れても痛くないほどの赤い髪色をしていた。


姫野さん…すごい人気だな…俺は姫野さんの周りに集まっている男子たちの横を通って廊下に出た。


「鈴木〜一緒に行こうぜ!体育館!」


そう三枝に誘われて、俺は一緒に体育館に向かった。

俺は三枝と最近流行っているゲームの話などをして…体育館に向かっていた。その前には中良さそうに喋る武蔵と高崎さんが目に入った。

やっぱり…武蔵…羨ましいな…俺はそう思った。


体育館に着くと…始業式が始まった…しばらく先生の話があって…担任紹介の番になった。俺たちクラスの前に一人の先生が立った。その先生は、さっき教室に来た先生だった。


「なぁ、昴〜俺らの担任さっきの先生だったな…」


そう近くにいる武蔵に小さな声で話しかけられた。


「まぁ、俺は何となくそうじゃないかと思ってだけどな…」


そう言うと


「ふふっ!俺も実はそうじゃないか思ってたんだよ!」


そう答えて来た。嘘つけ笑…俺は心の中でそうツッコミを入れた。


そして、始業式が終了した。いや〜長かったー!

俺は武蔵と三枝と一緒に教室に帰った。


「お前〜そう言えばバスケ部なんだろ?」


そう三枝が武蔵に質問した。


「ああ!そうだぜー!」


「すごいな〜一年の時からお前の噂は、聞いてたけどよく…バスケ凄い上手いんだろ?」


「いや〜照れるな〜」


三枝が武蔵を褒めると武蔵は、ぴょんぴょんしながら浮かれ始めた。


「武蔵〜!ストップーー!!」


俺は武蔵が歩く進行方向に何か落ちてる事に気がついた。あぶねー!武蔵、踏むとこだった…


「どうしたよ?昴〜?」


俺は下に落ちている物を拾った。

……これは!?俺が拾った物は、木で出来た指輪だった。

へっ!?これ…俺はしばらく動揺していた。


「おーい!鈴木?大丈夫か?」


武蔵と三枝は、不思議そうな目でこっちを見て来た。


「いや、その…」


「ごめんごめん!!それー!私のー!」


そう言って高崎さんが俺のところに来た。


「鈴木くん!ありがとう拾ってくれて!それ!私大事な人から貰った、とても大切な物なんだー!」


「そ、そうなんだ…」


そう言うと俺は彼女にその指輪を渡した。


彼女は、俺たちに一例してこの場を去った。


木で作った指輪…初恋…幼馴染…

大事な人から貰った物ー?

約束…





まさかな…?










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る