第13話 新たな出逢い?

「憂鬱過ぎますね」

「いつも言ってません?」

そんなことを言われましてもねぇ.....

早く明日の休日になって欲しいものである。

「何かありましたっけ?今日」

「特には無かったと思いますよ」

「なのになんで......笑」

朝日奈さんから苦笑がこぼれる

何もないからと言って、

憂鬱じゃない訳では無いんすよ。

「学園自体が憂鬱なんですよ」

「そうですか?」

マジでクソ優等生だな、俺とは大違い

(羨ましい...)

そこまで真面目になれるのは、率直に羨ましい

俺も真面目に生きれていたら...

俺も"努力"出来ていれば.....。

(やめよ、自己嫌悪するだけだな)

「私は、楽しいですけどね」

「そりゃ羨ましいですね」

俺の隣を歩く彼女は、満面の笑みで呟いた。

「一ノ瀬くんが居るから.....楽しいんですよ?」

(......人が死ぬて)

俺のことを殺す気なのかな?

「....そういう言動が、勘違いさせるんですよ」

「一ノ瀬くんなら、良いですよ?勘違いして」

おいおい、朝日奈さんまで小悪魔化してどうする

小悪魔キャラは美月先輩だけで充分なんだよ....。

「はいはい、冗談はそれぐらいにして.....」

「別に冗談じゃないんですけどね〜」

「学園着きますよ」

「はぁ〜い」

マジで、このままだと命もたないなぁ....

(やめろやめろ、俺はアイツらとは違うんだよ...)

でも、でも....ほんの少しだけだよ?

アイツらの気持ちが分かってきた気がするな....

まぁ気持ちが少し分かるだけで、

行動や、言動は普通にキモイけどな。

「今日も一緒に頑張りましょう!」

「まぁ...そうですね」

「もうちょっと頑張る気持ち出しません?」

「朝は辛いんです」

朝が得意なやつは、マジで超能力者だと思う

いや、ネタとかじゃなくて、ガチでね。

「私は得意ですよ、なんせ"朝"日奈ですからね!」

「.......あははっ」

「....殺して下さいぃぃ」

「いや、その....面白かったですよ....あはは」

「一ノ瀬くん...今まで楽しかったです」

死にたくなるまでが早すぎるんよ....

確かにスベったと思うよ?でもさ、

そんな思い詰める?この世の終わりの顔してるよ?

「楽しかったなぁ....色々」

「ちょっと待って!早まらないで!?」

「早まりますよ!時間ヤバいですもん!」

(.....え?)

え?どゆこと?時間が.....ヤバい?

手慣れた手つきでスマホを取り出す

そのスマホが映し出した時間は....

(オワタ......)

「走りましょう、全力で」

「.....それ以外無いですね、残念ながら」

そう言って、俺たちは走り出す

周りのことなんて忘れて。

「楽しいですね!一ノ瀬くん!」

「遅刻しそうなのにですかー!」

「はいっ!とっても青春を感じています!」

青春....ね、俺には程遠いものだな

でも、彼女を見ていると、彼女と過ごしていると

......彼女の笑顔を見ていると

俺にも青い春が訪れるような、そんな気がした。

因みに遅刻は免れた、ガチで危ねぇ




朝から、無駄に疲れたな......

そんなことを考えながら、階段を降りる

(まぁ、ちょっと楽しかったが)

そういえば久しぶりにちゃんと走った気がするな

体育祭が不安になる一方である。

「ん?」

上の階級から、美少女が降りてくる

あれは確か.....あぁ、そうだ思い出した

学園三大美少女の....七瀬和奏、だよな?

おぼつかない歩き方で階段降りてるけど、

大丈夫なんかね?

(まぁ、流石に大丈夫か)

「へっ?」

俺の予想は最悪なカタチで裏切られた。

(マジかっ!?)

驚きの声と共に、彼女は階段から降下する

無慈悲に....そして残酷に

だって、時なんて止まらない。


一ノ瀬 零の眼前には、七瀬 和奏が迫っていた

救いの手なんて無い.....だって、

現実はアニメのようにはいかないから

それを皆が知っているから....だから、諦める。

『ドサッ!』

あぁ、間違えていた

"皆"じゃなかったな"彼を除き"諦める....だった。

"人生は出会いで決まる"である。


あとがき

ご愛読ありがとうございます

いやぁ......やっと出せたぁ!

忘れている人の方が多いかもしれませんが、

七瀬和奏(ななせ わかな)さんです〜

一応ちょろっとだけ出てはいます

マジで少しだけですが、会話すらしてませんしね。

今回そんな和奏さんを助けた訳なんですが、

状況としましては、

1,和奏さんが上の階級から降りてくる

2,下の階級から登っている零くん

3,和奏さんが躓く

4,それを零くんが助ける

っていう風な流れになってます。

毎度の事ながら分かりずらくてすみません












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