かくれんぼ

@that-52912

第1話

縁側に座って ぼく

かくれんぼ 

たった一人で

かくれんぼ


みんないない みんな

吹き零れた お茶

緑色の水面 ああ

さみしい 骸骨のメロディーが

夕暮れの譜面をぬらしたよ

遠くで もう一人のぼくが

誰もいない和音を ギターで

鳴らしていた 昭和42年1月

風ばかり 吹く 午後なんだ

今頃 みんな お雑煮かな

お餅のせいさ ベタベタネバネバするから

動けないよ くるしいよ ぼく

鬼になっちゃうよ 見捨てないで

ぼくを






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

かくれんぼ @that-52912

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ