第22話 温泉街始動!

式典会場は温泉街にある宿泊施設のひとつ「ホテルネスト」で行われる。

ホテルネストは客室数500室、大ホールを有するホテルであり、大ホールが式典会場である。

建物は10階建てである。


リックとサラが式典会場に入ると既に来賓も席に座っており、リックとサラを残すのみとなっていた。

2人は急いで席に座る。

するとこの式典の司会者が現れ、式典が始まった。


「只今より、ネスト伯爵家・リック財団が運営致します、温泉街開業記念式典を行います。まずはネスト伯爵よりご挨拶いただきます。」


そういうとサットが席を立ち、登壇する。


「えー、本日はネスト伯爵家・リック財団の温泉街開業式典にお越しくださりありがとうございます。当施設はこのネスト領再興のため、息子リックと共に進めてきたものであります。この事業には土木省にも多大なる貢献をしていただいております。」


ここでサットは来賓席にいるダグリット公爵に一礼する。


「先程言いました通り、このネスト領の再興の起爆剤にこの温泉街はきっとなるでしょう。そうなればこのネスト領はより発展し、領民の暮らしも明るくなるでしょう。」


ここで式典に参加する領民から歓声が上がる。


「私の話はここまでにして、あとは息子のリックより挨拶を致します。」


そういうとサットは壇上から降りてしまった。

リックは丸投げされたと思った。


「それでは続きまして、温泉街を運営致しますリック財団代表のリック様よりご挨拶致します。」


司会に紹介され、リックは登壇する。


「えー、只今ご紹介にあずかりましたリック財団代表のリック・フォン・ネストです。本日はお集まり頂きましてありがとうございます。元々このネスト領は鉱山により発展をしてきましたが、採掘量が減り、衰退をしてきました。しかし、このネストにはそれに代わる新たな産業ができました。観光業です。他の領から多くの人々がこのネスト領、温泉街に来ることになります。これまで以上にこのネストは良い方向に向かっていきます。ぜひ皆さん、ご協力いただきましてこの温泉街を盛り立てていただきますようリック財団を代表してお願い致します。本日はどうもありがとうございました。」


リックが挨拶をおえる。

すると大きな歓声が沸いた。

ものすごい拍手である。


リックが席に戻るとサラが話しかけてくる。


「リック、素晴らしい挨拶でした。」


笑顔で言ってくれる。


「うん、ありがとう、」


こうして記念式典は無事終了し、温泉街が無事オープンした。


リックは式典会場を出て、外の様子を見る。

すると多くの人々がこの温泉街を練り歩いていた。

まるで正月の初詣みたいである。

各店列もできている。


その様子を見てリックは大成功を確信した。


そう思っているとセバスがリックを呼びに来た。


「リック様、来賓の方々がお待ちです。」


「あぁ、そうだった今すぐ行くよ。」


リックは来賓対応に「リック旅館」に向かうのであった。

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