第17話 念願がかないました(きらら編)

 琢磨君とおつきあいを初めてから七年後、悲願をついにかなえられました。二人は夫婦という関係になりました。


 小学校時代の卒業アルバムを開くと、将来の目標のページを開きます。私のところには、「琢磨君のお嫁さんに絶対になる」というメッセージが書かれています。あの当時は堂々としていたけど、今となるとちょっとだけ恥ずかしいですね。


 琢磨君のページには、「きららに依存しない男になる」と書かれています。こちらについては、矛盾したメッセージになってしまいました。


 メッセージを読んだあと、卒業アルバムを棚にそっとしまいます。琢磨君と結婚したからには、完全に必要のないものになってしまいました。


 琢磨君は仕事を終えて、家に戻ってきました。


「きらら、ただいま・・・・・・」


「琢磨君、おかえりなさい。ごはんはできているよ」


「きらら、ありがとう・・・・・・」


「感謝しているのなら、やることがあるでしょう」


 琢磨君は体を寄せてきました。大好きな人の体温は、疲れを吹き飛ばすのにうってつけです。


「琢磨君、ご飯を食べましょうね」


 本日の夕食は鶏肉ソテー、きんぴらごぼう、納豆、枝豆です。体にいいものをチョイスしています。


「カロリーの高いものを食べさせてくれ。これではエネルギー不足になっちゃうぞ」


「しょうがないね。明日は二人で外食に行こうか。好きなものを食べていいよ」


 琢磨君は無邪気に喜びます。大人になっても、子供っぽいところは残っているみたいです。


 おなかからいつにもない痛みを感じます。琢磨君はすぐに気づいたのか、おなかを触ってきました。


「きらら、どうかしたのか?」


「急におなかが痛くなって・・・・・・」


 妊娠前にはおなかが痛くなると聞きます。確信はないものの、新しい命が誕生したかもしれません。


「今日はしっかりと休め・・・・・・」


「琢磨君、ありがとう・・・・・・」


 琢磨君を優しくハグしたあと、横になることにしました。体は若いので、ちょっとだけ休めばよくなりそうです。




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