とりあえず……

岡島

第1話

 小さいころ、夏に母親の実家に遊びに行った時の事。

滅多に来れない場所なので、僕は興奮しっぱなしで、

お姉ちゃんと一緒に、外に遊びに行った。

都会とは違う大自然の風景ときれいな空気に心が躍る。


 山でカブトムシを見つけたり、川で泳いでいる魚を見たりと、

楽しかったけど、丁度田んぼのあたりに来た時に、

お姉ちゃんが、急に立ち止まって遠くの方をずっと見ていた。


「どうしたのお姉ちゃん?」


と僕が聞くと


「あそこを見て」


と指さすと、その先に案山子があって、


「あの案山子がどうかしたの?」


と聞くと、


「その向こう……」


お姉ちゃんは、遠くの草むらを指さす。

目を凝らしてみると、そこには何かが動いている。


 それは人くらいの大きさの白い何かで、くねくねと動いている。


「何あれ?」


と僕が聞くと、お姉ちゃんは、


「分かんない……」


というだけ。


 とりあえずロケットランチャーを取り出し、撃った。

それは、木っ端みじんとなって、

結局くねくねしたのは何なのか分からずじまいだった。

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とりあえず…… 岡島 @okajima

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