氷川さんは竜の化石を発掘したことで、世界でも一番注目をされている考古学者になっていた。

 氷川さんはテレビや雑誌によく特集をされていたし、動画やネットニュースにもよく顔を出していた。(めがねは変装用のためらしい。たしかに最初はむーもくーも氷川さんの顔をどこかでみたことがあったのだけど、その人が氷川さんだとは最初気が付かなかった)

「ただまったくすべてが運だけだったとは思っていないんだ」と氷川さんは言った。

 むーとくーは氷川さんに買ってもらった飲み物をストローでのみながら話を聞く。氷川さんはむーのスケッチブックをめくりながらお話の続きをする。

「どういうことですか?」むーはいう。

「私はね。むーくん。あの『竜の化石に導かれた』んだと思うんだ。このお話はほとんど誰にもはなしてないんだけどね。むーくんならわかってもらえるかもしれないと思ってお話するんだけどね、私は子供のころから竜が大好きだったの。竜が本当にこの世界に生きていればいいなって思っていた。恐竜にあこがれるみたいにそうおもっていた。(恐竜も大好きなんだけどと氷川さんは付け加える)それには理由があるの。きちんとした理由が」

「その理由はなんですか?」わくわくしながらむーは聞く。

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