ブラック社畜な社会から異世界に飛ばされたのでスローライフが満喫したいです(願望)

キノコボールペン

第1話 

別段特に特別な事も無い会社員。

自己紹介はそれくらいで十分なまでです。

それくらいに特徴が無い独身女性です。

強いて言えば残業が多すぎて帰るのが12時前になるくらいブラックなとこで頑張り続けれてるって事くらいの一般社員です。

今日だってそうでした。


「あぁ、それ終わったんだ。じゃあこれもお願いね。」


…正気ですか?

定時はとっくに過ぎてるんですよ?

心の中ではそう思いながら


「はい」


笑顔で返すのが当たり前でした。


それでこんな遅い深夜に帰路に着いたわけです。

おまけに帰り道に心霊スポットがある始末。

…正気の沙汰じゃないです。

帰りのコンビニで新商品のスイーツを買うことが唯一の癒やしかもしれません。

寒い時期、おまけにおでんも買って帰ることにしました。


そしてコンビニから出てすぐにある踏切。

ここが曰く付きの心霊スポットらしいんですが一回も不思議なことがありません。

心霊スポットの意味って幽霊が出やすい場所で合ってますよね?

むしろそれ以外無い!!…はずです。

特に変わったことがあるわけでもなく私は脚を踏み入れました。


それがいけなかったのでしょう。

近づいてくる電車の音が聞こえました。

光はありません。

実体もありません

正直、あり得ません。

でも音だけは確実に近づいてきています。

電車の音は明らかに目の前から近づいてきているはずなのに姿形すがたかたちは無いんです。

でも確実に近づいてきています。


その音の主がぶつかった瞬間、森にいました。

霧がかる森の中、大の字で寝っ転がっていました。

上半身を起こして見渡してみると時間は昼なのか周りは歩幅一歩分なら分かります。

手元のスマホは圏外表示です。

倒れるようにに上半身から力が抜けるのを感じました。

連勤で体が重いです。

まぶたも重く自然と重くなります。


もういいでしょう


そう思う自分が心のどこかにいます。

立ち上がって会社に向かわなくては…

霧の影響か過酷な勤務の影響か体が数倍の重さに感じます。


なにもかももういいや、寝よう


そうして社会人としての私の人生は終わりました。



~□□年後~

とある町にて


森ってなにか異様だよな」


「森全体のモンスターの強さが桁違いらしい…俺は行った事ねぇからわかんねぇけどよ」


「うぇ…おっかねぇ」


「何やら伝説の魔獣がいるとかなんとか」


「俺は死んだ先代の勇者が彷徨ってるって聞いたぜ」


「魔女が住んでるって噂もあるぞ」


「どれにしろ関わるべきじゃねぇな」



□□の森にて


指で目をこすりつつ目を覚ましました。

久々のまともな睡眠です。

電話は相変わらず圏外です。

圏外どころか苔むしてる石を拾いました。

スマホは…無い?!

ポケットを確認しても周りを確認してもありません。

カラスにでも取られたんでしょうか?

長い時間寝たおかげで腰と肩が嬉しい痛みに襲われてます。

髪が肩らへんから腰の辺りまで伸びているのはここに飛ばされた理由と関わりがあるんでしょうか?

服についた埃や葉を払って森の外に向かいます。

まずは道路に出なくては。

そこからバス停を探して場所を調べて…

と考えているとあっさりと森の外に出られました。

風景はまさにイタリアとかアルプス…

海外ですね?!!

よくあるピンクの扉に無理矢理通されたとかでしかないですよ?こんなこと


帰る手段あるんですかね…

パスポートも無いですし…

友達に電話をしようとスマホ(?)を開こうとしても無いです。

どうすれば…



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ブラック社畜な社会から異世界に飛ばされたのでスローライフが満喫したいです(願望) キノコボールペン @0729kinoko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ