Count 16 【究極の聖女】アンリミテッド(巫子芝安里)VS【竜星王】タイラント 02
次にタイラントはファイヤーボールを山なりに投げながら、蔦を鞭のように振って巫子芝に襲いかかる。巫子芝はファイヤーボールを水の加護で打ち消しながら蔦の鞭を外へ弾いていなす。鞭が2本になっても雷属性の
「体が小さい安里ちゃんには攻撃を正面から受け止めるより、受け流す柔らかい防御が合っているわ。それが攻防一体の動きに繋がっていくのよ。隙あらば大技を仕掛けるつもりね。属性の相乗効果もあるでしょうけど」
それについては隠しヒントもある。武舞台を囲むの5本の
巫子芝は一歩半の距離をとって再び対峙する。この位置取りも彼女の作戦だ。
タイラントが魔法で攻撃するには溜めが必要になる。それがローキックや牽制のジャブに邪魔される。ならばと踏み込もうとすると、前蹴りで再び距離を取られる羽目になる。もうタイミングを掴んだのか。
「このへんは試合経験で培われた技術ね。主導権を相手に渡さない。相手は焦って攻撃が雑になるでしょうね。上手いわ」
堪らずタイラントが大きく退がる。それを好機と見て巫子芝が追う。通常なら自分も体力を削られるのを覚悟して、タイラントと殴り合いのチキンラン勝負となる。だが、その距離で彼女は攻撃のほとんどを相殺、あるいは受け流してみせる。タツコさんも驚きを隠せない。
「
それはお断りします。オレのパートナーですから。
そして巫子芝の体が白く輝く。さらにだめ押しの
高速で左右に移動しながらボディフックを連打する。技のヒットする音の間隔が徐々に短くなり、ついに残像で巫子芝が2人に見え出す。そして次の瞬間2人が同時に肘を突き刺す。決まった、【ツインランサー】ァ!
「まだまだいくよっ!」
そう言うと巫子芝が逆立ちして顎を蹴りで射貫く。【春雷】の脚バージョン? そこから首に脚を絡めて、上体を起こしてナイフのように折りたたんで脳天に肘を落とす! それを見てタツコさんが思わず立ち上がる。
「あれは【轟雷】! 実戦で見るのは初めてよ……凄いわ安里ちゃん、私まで闘いたくなるじゃねーかよ、コンチキショー!」
勝利のファンファーレが鳴り響き、タイラントから5つの光が飛び出して再び別れて五星王の姿となる。
彼女が一目散にオレに向かって走ってくる。やったな、巫子芝!
「見てた? 見てくれた、円東寺クン!」
うん、うれしいのは分かるが落ち着こうな。こらこら、オレを押し倒してグリグリするのはやめ……は、鼻を舐めるのもなしだァァァ!
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