第22話  ガヤでの商売

僕らはギルマスと2階の部屋に入った。

「まあ、みんなかけてくれ。」

門番ギルマスの弟、ギルド受付のお姉さんも一緒だ。

ギルマスが「改めて自己紹介をしよう。

僕はこのガヤ商人商会のギルマスのカイルだ。

ヨロシク。」

門番のおじさんが「テルだ。ヨロシク。元戦士だ。右手を負傷してからはゲートで門番をしている。」

ギルド受付のお姉さんが「私は、リラです。ここでの商売に関することは手伝い致しますね。なんでも相談してください。」

イケが「さすが、ギルドのお姉さん、完璧だ。」

僕は「イケ何、感心してるんだ。」

「だって、マンガで見たのと同じで感心してるんだ。二条、これって現実だよな。

試しに僕の頬をつねってくれ。」

僕はイケの頬をつねった。「痛い!二条、痛い。」

「イケ、当たり前だ。ばーか。」

パトリが「二条、イケ、ふざけないで静かにしなさい。」

「はーい。」僕らは小さくなった。

カイルが「そういえば、同じような光景を以前も見たな。」

僕は思わず「それはいつですか?」

「2年ほど前かな。ちょうど、君達のようにふざけて仲がいい男の子2人と、魔術師のきれいなお姉さんと3人でここで商談した。」

僕は直感で、その男の子の1人が司令官K,ケイゴだと確信した。

「それで、彼らは?」

カイルは「残念なことに、商売をしようとした矢先に1人の男の子が魔物に出くわし食べられた。その後、彼らはこの国を去った。噂によると残った男の子は、かたきをとるために魔術師になったとか?しかし実際は、よくわからない。」

「そうですか。」僕は深くソファーに座りこんだ。

司令官K、ケイゴ。水晶の力でウサギの前の持ち主だ。

ウサギと出会う前にケイゴは誰とこの世界に来たんだろう?

僕らと同じ魔術師のきれいなお姉さんにスカウトを受けて?来たのか?

以前ウサギが『ケイゴは自分の意志で俺様から離れた。』と言ってた。

友達が魔物に食べられた後にウサギと水晶に出会ったんだろう。

しかし闇を抱えたままのケイゴは、ウサギを切り捨て魔術師マハを選んだ。気持ちはわかる。僕だってイケのためならどんな汚い手を使っても復讐できるならやる。

たぶんケイゴも・・・

イケが「大丈夫か二条。また、上崎のこと考えてたのか?」

「あーあ、いや、違う。大丈夫だ。」

カイルが少し硬い表情で「商談の前に少し話しておくことがある。

今このガヤ王国では異常気象が続いている。作物がとれにくい。近い将来食料不足になる。」

「えっ!」

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