第30話いじめの初期段階 小学5年生 初めての男の担任の先生

 いよいよここからいじめに関係する記述が増えてくる。本格的ないじめ被害にあったのは6年生からであるが、今思えばごく少数ではあるが、私に対して悪質な嫌がらせを加えてくるやつがいたのである。5年生のころにはいじめの兆候は、すでにあったのかもしれない。

 春休みが終わり、私は5年生となったが、初めて担任の先生が楢崎先生という男性の教師となった。クラス替えもあり、教室の環境は大きく変わった。私は5年4組になり、卒業するまでの2年間、同じクラスメイトと過ごすことになる。この当時の私は、1年後に自分の身に本格的にいじめのターゲットのされるとは思ってもいなくて、卑劣な犯罪行為に苦しむことになるとは夢にも思わなかった。

 5年生になって、学校生活で変わったことと言えば、誕生日カードを書くことになったという点である。これは誕生日を迎えたクラスメイトにお祝いのメッセージや絵などを描いて、表紙も児童が作成し、先生もお祝いのメッセージを書いて渡すというものであった。子供たちの自主作成という形をとっていたので、書かれている内容を先生がチェックするということもなかった。それぞれお祝いのメッセージやアニメキャラを描いたり、おめでとうという思いをメッセージとして書いたりしていた。

 私たちのクラスで一番最初に誕生日カードを受け取ったのが、のちにいじめ加害者のリーダー格の一人になる渡部薫という女子であった。私は絵を描くのが苦手なので、メッセージを書いて贈った。私なりの思いを込めて一生懸命書いた。以後私を除く39枚の誕生日カードを描いて出した。そして4年生の1月から続いていた部屋の増築工事が終わって、私たちが住んでいる家の環境も大きく変わった、そんな中での小学5年生のスタートであった。

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