第22話鉄道クラブ&あやめ池遊園へ

 4年生になるとクラブ活動が始まる。私が入ったのは、鉄道大好き人間ということで鉄道クラブ。このころになると私は時刻表も読めるようになっていたほか、当時の国鉄や私鉄の路線名や、特急急行の走る区間や、使用される車両や形式なども覚えていて、先輩である5年生や6年生の知識をしのぐほどであった。そのため上級生からも

「こいつはすごい」

と一目置かれるようになっていた。特急列車の名前や歴史、走る路線の特徴や、都市の名前を覚えて発表していた。週一回、木曜日にあるクラブ活動が一番の楽しみとなった。ただ、このクラブ活動に使う本や時刻表を家から持って行って、また持って帰るのは重たく、結構しんどかった思い出がある。このころの私の夢は、私たちが住んでいる家の近くを走っていた路線の乗務員になることであった。制服を着て電車の運転操作を行う乗務員の姿は、私にとってあこがれであった。そんな私の電車に乗ったときの特等席は、運転席のすぐ後ろで、前方の景色を楽しむというものであった。これは私が電車に乗ったときの過ごし方であった。その夢を実現させるためには、もっと勉強を頑張らなくてはいけないという思いを抱いでいのも事実であった。


 そんな夢を抱きつつ、4年生の4月が過ぎてゴールデンウィークに突入。ゴールデンウィークに両親は近鉄沿線にあった、あやめ池遊園に連れて行ってくれた。いつも乗っている電車とは違う風景が楽しめるということで、私は遊園地に行けることよりも、近鉄に乗れることの方が楽しみであった。いつものように運転席後ろに陣取って、景色を楽しんでいるうちに下車駅について電車を降りる。遊園地はおとぎ話に出てくるような乗り物やジェットコースターなどがあって、それはそれで楽しかったが、私としては電車に乗ってどこかに出かけること自体が楽しみであり、遊園地などは私にとってはおまけみたいなものであった。1日遊び倒し、帰りの電車の中では遊び疲れた私は、両親の肩にもたれかかって眠っていたそうである。

 電車の中で寝た私は疲れも回復して、家に帰ったらゴンの散歩へ。リードを持ってゴンのところに行くと、ゴンは尻尾を振って

「早く散歩に行きたい」

とアピールしていた。1時間ほど散歩に連れて行って、家に帰ると夕食ができていた。散歩も言っておなかがペコペコだった私はいつもよりたくさん食べて、その日は気持ちよく熟睡していた。

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