第18話そろばん塾
それから数日たって、私たちはいつもより早く大阪に変えることに。理由は足腰がすっかり衰えてしまった父型の祖父を預けていたため、あまり長居ができなかったのである。このころになると大阪の祖父も寝て凄くことが増えて、外に出るということがほとんどなくなっていた。そして生まれた家に里帰りしていたゴンも我が家に戻ってきて、久しぶりの再会にしっぽを振って出迎えてくれた。私がゴンに
「散歩行くか~?」
と言いながらリードをもっていくと、ゴンは嬉しそうに
「ワン」
と答えていた。途中で踏切を渡るところもあるので、安全に最大限注意しながらの散歩であったが、途中で例のテニスボールを持っていくので、ボール投げして遊んで帰った。
夏休みが終わって学校が始まり、いつもの生活スタイルが戻ってきた。2学期から私は姉と一緒にそろばん塾に通い始めた。姉の方は一足先に通っていて私よりも級はうえで、私にとっての目標は姉に追いつけ追い越せであった。まずは最初は1~10までの基本的な足し算・引き算であった
「これくらい、1年生で習ったから、そろばん使わなくても計算できる」
と思ってそろばんを使わずに計算していたら、先生にダメだしされた。「ちゃんとそろばん使って計算しなさい」
ということであった
「やっぱりインチキはダメか」
と思って、あらためて計算しなおし、先生が答えを合わせると全問正解であった。こうして姉と私は毎週月・水・木・土曜日はそろばん塾に通うことになったのである。
そろばん塾に通いだしてからは、どちらかというと苦手にしていた算数の計算問題も簡単に溶けるようになった。ただ、相変わらず応用問題は苦手であった。
このころになるとゴンの体もだいぶ大きくなってきて、子犬から大人の犬へと少しずつ姿を変えてきていた。ゴンの散歩へ行くのが私と姉の日課であり、だいたい交代で行っていた。そんな中、学校では運動会の練習が本格化し、本当に体を動かすことが増えた。それもゴンを飼ったおかげであろうか。
そうこうしているうちに運動会が終わって、私自身が初めて参加する文化祭が近づいてきた。文化祭でする劇の練習も始まった。
私が3年生の当時、在籍した児童数は入学した当時と同じ1200人を超えていて、全学年が参加する文化祭が行えなかったのである。
それぞれのクラス電で何をするのかは自由で、合唱をするクラスもあれば、寸劇をすることもあり、いろいろと楽しめるようになっていた。私のクラスでは何を演じたのかは忘れたが、初めての文化祭を楽しんだのは確かである。
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