DEAD OR ALIVE

DEAD OR ALIVE

『目指せ登録者数50万人！』と書かれた紙を壁に掛けながら生配信をしている一人の男。

【DEAD OR ALIVE】と題名（タイトル）が付けられたこの生配信は、今や世界中の注目の的だろう。

青木メロンと名乗るこの配信者は、登録者数たかだか1,000人程だったのだが、24時間以内に登録者数を50万人にすると宣言をし、生配信を始めたのだ。

あまりにも荒唐無稽な話だが、彼は配信の最初にこう言った。

「今から24時間で、僕のチャンネル登録者数が50万人に達さなければ、僕はこの場で自殺をします」

生配信開始時は、私を含めほんの数人が視聴していただけだったが、この自殺生配信はSNSにてあっという間に拡散され、配信開始から5時間が経過した頃には、8,000人程の人が視聴していたようだ。

それに伴い、チャンネル登録者数も1万人へと増加をしたが、チャットのコメント欄には激励の言葉、批判の言葉が乱舞し始める。

＞＞登録するから、頑張れー、生きろー！

＞＞こんな人間のクズ生きてても意味ねぇから、早よ死ねば？www

＞＞別に金銭要求してないしな...

＞＞炎上商法ならぬ同情商法てか？w

＞＞何が君をここまで追い詰めたんだ？ここで話してくれないかな？

＞＞どうせ24時間経っても自殺なんかしないんだろ？wwwそんな勇気も無いくせに意気がんなwww

＞＞自殺を煽るようなこと言うもんじゃないと思うけど。。。

＞＞運営さーん、早くこの配信止めてくださーいwww

＞＞人助けだと思って助けてやれよ。

＞＞こんなやり方で成功して嬉しいのかよ？

＞＞彼を救う為、あらゆる手を尽くすべきだ！

このようなチャットに、彼はほとんど反応を示さなかったが、批判コメントが続いた時、静かに微笑みながら皮肉った。

「今、チャットのコメントで僕を批判している人たちは、きっと惨めな日常を過ごしているんでしょうね。逆に同情しますよ。威勢を張る場所がないから、顔を隠しつつ、影から人を批判する事で優越感に浸っているのでしょう。あなたたちは今の僕のように、何かに命を懸ける程の事をしてるんですか？平々凡々に殺風景な日々の中を、ただ彷徨（さまよ）っているだけでしょ」

この言葉でチャットは批判の嵐が猛り狂ったが、これ以降、彼がチャットのコメントに反応する事はなくなり、配信開始から9時間が経過する頃にはチャットのコメント欄は落ち着きを取り戻した模様。

そして配信開始から半日が経過すると、いくつかのネットニュースが彼の自殺配信をニュースで取り上げた為、彼のチャンネルの登録者数は27万人にまで達した。

しかしそんな折、一人の視聴者が呟いたコメントが、私を含め視聴していた全員を恐怖のどん底へと突き落とす。

＞＞疑問なんだけど、彼本当に生配信してるんだろうか？照明に照らされてる彼の影がどこにも映ってないんだけど･･･。