第50話 農協だよりの版下から

「ちょっとあんた、これ、読みなさい」


年長の女性らに、かの勤労学生はある文章を渡された。

それは、印刷された商品ではなかった。

今は岡山市の近くの大都市に吸収合併された町の農協だより。

その印刷会社は、なぜかそういう筋のお仕事もいただいていたのだ。

さて、その記事の状態は、写真植字機で作られた版下段階のもの。

だが、ここはそんなことを問題にしている場合ではない。

その版下の記事には、そんなことがかかれていた。


炭酸飲料に入っている糖分 1缶につきおおむね砂糖大さじ6杯


要は、これを彼に読ませないことには、ってこと。

でもなぜ、そんなものを読まされたのか。


朝来て、まずは1本

昼食時に、また1本

休憩後に、また1本

15時の休憩に、トドメ? の1本

とまあ、こんな感じで、250ミリの缶ジュースを4回。


そらあんた、いくら若くても健康を害するぞ。

今の話で言えば、砂糖オオサジ20杯以上、毎日口にしているも同然。


さすがに彼、まずは2本程度に抑えるようになりました。

その代わり、酒を飲む日が少しずつ増えていきましたとさ。

ただし、煙草だけは一度も吸ったことがないのだそうです。

目出度し? メデタシ!?

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