第2話


「何のゲーム?」

僕はフレイユに聞いた。


フレイユは超高性能なAI搭載ロボだ。

普段は一寸人形だが伸縮自在で

象までの大きさであれば何にでも化ける。


そんな彼女が、サングラスに頬の傷、

少し開いた口に派手なマウスピース。


そして手にはメリケンサックという

明らかにヤクザな長身の男に化けて

ドスのきいた声で提案してきたら、

それを断る勇気は私にはない。


「TRPGというゲームです。」


「なにそれ」


「Tはテーブルトークを表します。

 席に着いたプレーヤーが

 会話によって進めるゲームです。」


「へぇ~いいじゃん」


「はい、暇だろうと思いまして。」


「うん、ホテル療養が

 こんなに退屈とは思わなかった」


「ゲームマスターはわたしがやります。

 1人向けのシナリオを用意しました。」


「どんな内容なの?」


「タイトルは[ごめんなさい中毒]ですね。

 プレーヤーは謝ることで降参になります。

 勝利条件はトゥルーエンド回収です。」


「謝った時点でゲームは終了ってことね

 でも、謝る以外の行動って

 無限にあるけどどう処理するの?」


「基本は私の提示した選択肢から

 行動を決めてください。

 どうしても違う行動がしたいなら、

 その都度シナリオを構築します。」


「へぇ、さすがロボット

 でもヤクザの口調じゃないね」


「ああ”ん?質問は以上かぁ?

 では、謝ってくたばれぇえ!」


「なんかずれてると思うよ…」


謝る→[第4話へ] 謝らない→[第5話へ]

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