底辺作家の作者がKAC2024を振り返ります。

丸子稔

第1話 KAC振り返りと今後の展望

だ、だ! あの底辺作家の丸子稔が、今回のKAC2024で9作品全部が星100超えで、そのうち5作品が星200超えだってよ!」


「なにー! 5作品で星200超えだと。そんな奴、他にいるのか?」


「詳しく調べたわけじゃないが、多分いないと思う」


「ということは、今年のKAC王は、あの底辺作家の丸子稔ってことか。そいつは確かにだ!」


 ……えーっと、冒頭からふざけてしまいましたが、今から今回のKACを振り返ろうと思います。


 まず最初のお題は『○○には三分以内にやらなければならないことがあった』。


 これを見た時、真っ先に浮かんだのはカップ麺とウルトラマンでした。

 恐らく、ほとんどの方がそう思われたんではないでしょうか?


 私は他の人と被るのを承知で、カップ麺について書きました。

 ただし、主人公は猫のニャン吉。

 そうすることで、他の人との差別化を図りました。


 タイトルは『ニャン吉の姑息な作戦』。

 

 この回だけ私は二作品書いていて、もう一つのタイトルは『エロエロスナイパー』。


 これはタイトル通り、エロに振り切った作品となっています。

 下ネタが苦手でまだ読まれていない方は、そのままスルーしてください(笑)。



 二回目のお題は『住宅の内見』。


 これは、いささか悩みました。

 ただ住宅を内見するだけの話にすると、多くの人と被るのは目に見えていたので、その要素を取り入れつつ、主人公を幽霊にすることでオリジナリティを出しました。


 他の人の作品を読んでいると、私と同じ事故物件について書かれているものが非常に多かったので、幽霊視点で書いたことに、とりあえず安堵しました。


 またこの作品は、幽霊視点と女性視点を交互に書いたのですが、読者の反応を見ていると、どうやらそれは成功だったみたいです。



 三回目のお題は『箱』。

 箱で思い浮かぶものといったら、かなりありますよね。

 筆箱、下駄箱、ダンボール箱、ビックリ箱、貯金箱、箱根、箱入り娘──。


 他にもまだたくさんありますが、その中で私が選んだのはダンボール箱で、タイトルは『育ての親より産みの親』。


 仕事帰りの主人公が、空き地に無造作に置かれているダンボール箱が気になって開けてみると、中には産まれたばかりの赤ん坊が入っていたという設定にしてみました。



 四回目のお題は『ささくれ』。

 今回のKACの中で、このお題が一番悩みました。

 いくら考えても、話が思い浮かばなかったので、私は心の声をそのままタイトルにすることにしました。


 そのタイトルは『ささくれなんて変なお題を考えた奴とそれを選んだ運営に一泡吹かせるため、引き出しの奥のさらに奥から無理やり引っ張り出して、渾身の一作を書き上げてやったぜ!』。


 後で思ったのですが、これって、このお題を考えた人にかなり失礼ですよね。

 なので、この場を借りて謝罪させてもらいます。


 ごめんなちゃーい!


 さて、誠心誠意謝ったところで、話を戻します。

 内容をかいつまんで言うと、主人公の佐々呉ささくれ太郎とクラスメイトの根疑魔ねぎま次郎が、二人でわちゃわちゃするだけの物語です。


 タイトルだけでなく内容もかなりふざけているのに、今回の私のKAC作品の中で、これが二番目に評価を受けているのは、なんか複雑な気分です(笑)。



 以上で前半が終わり、後半一発目のお題は『はなさないで』。

 これは大きく分けると、『話さないで』、『離さないで』、『放さないで』の三つになり、私はそこから『話さないで』と『離さないで』の二つを物語の中に取り入れました。


 タイトルは『ラビットの意地』。

 マラソンランナーとして、周りの期待を裏切り続けた主人公が、オリンピックが懸かったレースで奮起する物語となっています。



 六回目のお題は『トリあえず』。

 このお題もかなり悩みました。

 普通に、『とりあえず』を使った話ではいけないと思って、私はトリの部分を例のトリに見立てて書きました。


 タイトルは『トリさんに会えると思っていたのに……』。


 お題を全部クリアすると、トリのぬいぐるみをもらえるという誘い文句につられて、主人公は小説投稿サイトの企画に参加しますが、あるお題について書かれた内容が、お題に沿っていないとみなされ、結局ぬいぐるみをもらえなかったという、悲しい物語となっています。



 七回目のお題は『色』。

 これは範囲が広すぎて、いろいろ迷った結果、過去のKACで好評だった競争ものを書くことにしました。


 タイトルは『第一回乗り物王選手権』。

 八台の乗り物(パトカー、ドクターイエロー、ショベルカー、救急車、消防車、ダンプカー、タクシー、クレーン車)が妨害をしたりされたりしながら、優勝を目指してサーキット内を走ります。


 まだ読まれていない方は、是非どの乗り物が優勝するか予想しながら読んでみてください。



 八回目のお題は『めがね』。

 自分自身がメガネを掛けているので、エッセイを書こうかとも思ったのですが、せっかくこれまで全部物語を書いていたのに、最後の最後にそれではもったいないと思い直し、高校生の主人公がKACに挑戦する物語を書きました。


 タイトルは『KACで全力を尽くした結果……』。

 高校生ということだけで色眼鏡で見てくるユーザーを見返すため、主人公は結果を出そうと張り切りますが、結局思うような結果が得られず、KACが終わると共に、他のサイトに移ってしまいます。


 一ケ月後、KACの結果が正式に発表され、そこには意外な事実が書かれていましたが、主人公にそれを知る由はありませんでした。



 以上、今回のKACを振り返ってみましたが、私なりになんとか見せ場は作れたと思っています。


 底辺作家の私が存在意義を見出すとすれば、このKACくらいしかないですからね(笑)。


 私は脚本の公募に挑戦していることもあって、これまでカクヨムコンとKAC以外はあまりカクヨムに参加していませんでしたが、今年は脚本の方を減らして小説の公募に積極的に挑戦しようと思っています。


 既に電撃小説大賞の短編『ベストフレンズ』は公開していて、キャラクター大賞用の作品『ホワイトジェネレーション』も本日3月31日より公開しています。


 また、例年4月から募集の始まるカドカワ読書タイムの短編、7月の角川つばさ文庫にも挑戦する予定ですので、その際はどうぞよろしくお願いいたします。


  了

 


 

 


  

 



 


 


 

 


 

 

 

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底辺作家の作者がKAC2024を振り返ります。 丸子稔 @kyuukomu

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