第2話

夕日が差し始める頃、私はスクールバッグに荷物を詰め込んでいた。

ふと飛んできたホコリにくしゃみが出ると、コンマ数秒差ほどでパリンと割れる音がした。

「…っ!?」

消えかけの声だが、驚いたであろう声が耳に入る。

そこには花瓶を割り、破片と水を散らばせる君が立っていた。

「…っはは、割ってやんの。怒られてもしーらね」

私は哀れみの目線を向け、小馬鹿にした笑いを浮かべる。

手伝うみんな、無視する私。

ごめんね、こうしなきゃ君が怒られちゃうからさ。

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