第2話 「怠惰」の獣

当たり前のことだけど家には帰れなくなった。

友人を頼るわけにもいかない。

というか独身の俺に古くからの友人のイチャイチャ空間は耐えがたい物がある。

あいつ以外の友人は今は寝てるだろうし…

ホテルぐらいしかないかぁ…


小さい手を親子のように握って最寄りのホテルまで歩くことにした。

こうやって小さい女の子と歩いてても現実だって実感が無い。

正直友人のイチャイチャだけでも寝込みそうなのに隕石で家が崩壊…現実味がない。

おまけに…?

手…明らかに手に違和感がある。

小さい…手…?!

子供!?

ってかあのさっきまで抱えていたあの可愛い小さい白「いモフモフしたあれは私だよ?」


…は?

何を言っ「ているんだこの子供は、でしょ?」


?

白いワンピースの似合う白い髪の子供だ。

気持ち悪いまで先読みされてるだろう。

そうとしか思えない。

むしろここまで先読みされて他の感情とか湧くんだろうか。


「早く化物それから離れた方が身のためだよ?」


上空から声が聞こえた。

そこには黒い獣がいた。

もちろん羽とか生えていない。

この夢はいつ覚めるのだろうか。



「ご主人、契約してくれない?」


柔らかい指が手を握って自らの頭に誘導してる。

もちろん黒い獣は喋りかけてきた。


「駄目だよ、絶対にね。」


そもそも契や


「契約はご主人との関係を表すのに必要なだけだよ?深くは考えなくいいの。」


そのまま手を頭の上に乗せると光り始めた。

上空で黒い獣はやれやれと首を振っている。


「□、□□□□□」


きっと人には聞き取れない言葉だろう。

言い終わると同時にその女の子には首元に刻印が刻まれていた。

少しの罪悪感。

何やら黒い獣は不思議がっている。

一つぽつりと黒い獣は


「何故死んでいない?」


と口にした。

…夢の中で死んだりするんだろうか?

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お昼寝は厄災の獣と一緒に キノコボールペン @0729kinoko

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