何も持ってない僕が、君を好きでもいいのですか?

神石水亞宮類

第1話 何も持ってない僕が、君を好きでもいいのですか?




僕は全てのモノを失った!

家族もお金も家も友達も何もかも、、、。

僕は実家に何度も帰り、借金しているお金の返済に何度もしつこく

お金を借りに行っていた。

とうとう父親が僕にキレて、僕は家族から“絶縁”されてしまう。

僕の家族も妻とは離婚、子供も妻が連れて行く事に......。

35年ローンを残した家だけが僕の財産なのかもしれない。

家のローンに月々15万の支払いは、今の僕にはかなりきつい。

だから昔からの友達や会社の同僚にもお金を借りる始末。

正直、“みんな僕が彼らに近づいて行く事を嫌がっているのが分かる。”

どうせコイツは金なんだと......。

まあ、そう思われても仕方がない!

現に金を借りる為に近づいているしな。

そもそも何故? 僕が借金をしたかというと、、、?

ギャンブルにハマってしまったからだ!

最初は、“パチンコから競馬、競艇、競輪、最後はカジノ。”

ハマればハマるほど、僕はギャンブルから抜け出せなくなった!

今でも1臆円の借金は軽く残っているだろう。

もう途中から、“自分の借金が幾らあるのか分からなくなってしまうほど。”

既にどうでもいい、幾ら借金してもどうせ全額は返せないのだから。

そう思うようになってからは、少し心が楽になった!



・・・でも? 現実はそうはいかない!

サラ金業者が僕の家に来て、何度もチャイムや玄関のドアを叩きまくる。

挙句の果てに窓を割って家の中に入って来ようしていた。

でも流石にそれは、近所の人が直ぐに警察を呼んだおかげで何事もなく終わる。

僕は窓にガムテープでバリバリに割れたところを補修する。

ガラスが割れたところから風が入り寒いのだ!

暖房もつけられないほど、お金に切迫しているのにこれ以上、

電気代をあげられない!

家にある服を着こんで、布団を体に纏い、寒さをしのいでいたんだ。







・・・そんな時、“一人の女性と街ですれ違う。”

僕の一目ぼれだった。

完全に僕は彼女の事が頭から離れず、毎日彼女と会った場所に何度も

足を運ぶ。

また彼女に偶然会わないかと? 期待をしながら毎日。

でも? 彼女と会ったのはあの時だけだった。

今の僕と彼女がまた会っても、決して上手くいくはずがない!

借金まみれで、何も持っていない僕の事なんか彼女が好きになってくれる

はずがないと諦めかけていた時に、偶然! 僕はまた彼女と出会った。




『あぁ? スミマセン! 大丈夫ですか?』

『・・・あぁ、はい。』

『えぇ!? 私の顔に何かついてますか?』

『・・・い、いえ、スミマセン。』

『“何処かで、会った事ってありました?”』

『いえ、会った事は、、、。』

『すません! 急いでるので、ココで!』

『あぁ、はい、僕の方こそスミマセン。』

『じゃあ!』

『じゃあ、』




・・・これが僕が彼女と話した最後になり、“世界で一番幸せな時間になった。”

僕はサラ金業者に夜、拉致されてボコボコにされた後、ドラム缶に詰められて

海に捨てられる。

僕の遺体が見つかるのは? 1年以上も先の話になる!



君には最後に、あんなに幸せな時間をありがとうと言いたい! 

本当にありがとう、最後の僕の人生に君が現れてくれた事に感謝しかないよ。

”ほんとうに、ありがとう。”

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何も持ってない僕が、君を好きでもいいのですか? 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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