アンチxチート ー集団転移に巻き込まれて、他の人はチートを使ってるけど、俺だけ正々堂々と闘うぜ!ー

@TSGui

第1話 - 集団転移





仕事から帰って、部屋で好きな異世界ものの漫画を読んでいたら

体が光りだして爆発した。


(いや、なんでよっ⁉)


力の限り叫びたい気持ちを抑えて、心の中で済ませた。


どうしてかっというと、それは今、数十人の知らない人達と一緒に真白な部屋で

ポツンと立っていたからだ。


(いや、マジでなんでっ⁉)


「どうなっている⁉」

「誰だお前ら⁉」

「やだやだやだやだっ!」


周りの人もこの状況がわからないか、泣きじゃく人もいる。


こうしている間も次々と人が現れて、混乱がますます増えた。

そして人数が50人になってからそれが止まり、今度は数十メートル先に大きな像

が現れた。


その像はまるでギリシャ神話の女神のような姿して、皆でそれを見上げた。

だけど驚くのはその存在じゃない、なんと、像から声が聞こえた。


「私はリーラ、 君たちの今の状況を説明しよう」


(だから、なんでよっ!!!)


そう突っ込んだが、女神?の説明で余裕を無くし、その気持ちは消えた。


俺たちはなんと、異世界へ召喚された。

その世界に魔物という怪物があり、そいつらと人々は長年争っている。

だけど魔物の中から魔王という強力な魔物が現れて、そいつの力で他の魔物たち

が強化されている。危機を感じた異世界の国々は世界を作った女神に祈りを

捧げて、抗う力を望んだ。


人々の切なる願いに応え、女神は王族に召喚術を教えた。

その術は自分の世界だけじゃなく、他の世界で適正があるものを探して。その国へ

召喚する。


という説明で、ここにいる50人は強い力を使う適正があるということだ。

その力は、スキルと呼ばれている。


説明が続く中、行きたくない人は今の記憶を消して、元の世界に戻っていいっと

女神が言って、家族や恋人と離れたくないという人達は召喚を拒んで、地球へ

戻された。


(本当に戻ったどうかはわからないがな)


そして説明が終わり、召喚に応じる人達が35人にまで減った。

残っていた他の人達も驚いている大体の人がこの話に前向きだった。


俺も不安はあるが、剣と魔法の異世界に行きたいに決まている。

女神の話を丸吞みにするようだが、夢がチャンスに変わりはない。

だけど、気になる点は一つだけだった。それは俺たちは召喚された後は自由に

生きてもいいっと女神が言った。


国のためにスキルを使てもいい、冒険者になってもいい、スキルで金を

稼いでもいい、世界中を旅してもいい、逆にスキルを使わずに一生どこかの田舎で静かに暮らしてもいい。


魔王側に力を貸す以外、何でもありだ。

話によると、世界に俺たちを送るだけでそこ人々の力になるようで。国に

行きたくないなら女神は違うところへ俺たちを送るだそうだ。


噓かどうかの確かめようがないけど、本当に自由だったら力を使て横暴を振るよう

になる人もいるだろう。


(いいのかよ?)


そう考えているうちに、女神の説明は続き、俺たちにスキルの取得方法を教え

始めた。


頭の中でステータスオープンっと言って、目の前で他人には見えない半透明の

青い画面がシューっと現れた。



―――――――――――――――――――――


【ステータス】

名前: ―― ← 『名前を決めてください!』

年齢: 27 種族: 人間

称号: ――

レベル: 1 SP: 100


筋力: 27 [27]

魔力: 12 [12]

速さ: 21 [21]

器用: 13 [13]

運: 10 [10]



【アクティブスキル】


【パッシブスキル】


【特殊スキル】

-『女神の守り』

-『言語理解』

-『魔物鑑定』



【装備】

『武器』

-

『防具』

-

『アクセサリー』

-

―――――――――――――――――――――


(ゲームそのものだな……)


既にスキルを貰っているけど、それも女神が与えたものだ。


そして、女神の説明に従い、ステータスのSPを指で押せば、更に一つの画面が

現れた。


―――――――――――――――――――――

SP: 100

取得可能スキル一覧



-『短剣術 Lv.1』 【10SP】

-『片手剣術 Lv.1』 【10SP】

-『大剣術 Lv.1』 【10SP】

-『棒術 Lv.1』 【10SP】

-『弓術 Lv.1』 【10SP】

-『槍術 Lv.1』 【10SP】

-『大剣術 Lv.1』 【10SP】

-『盾術 Lv.1』 【10SP】

…………

……

-『体術 Lv.1』 【10SP】

-『気術 Lv.1』 【15SP】

-『忍術 Lv.1』 【15SP】

-『攻撃魔術 Lv.1』 【10SP】

-『支援魔術 Lv.1』 【10SP】

-『治癒魔術 Lv.1』 【10SP】

-『テイム Lv.1』 【20SP】

-『飛行術 Lv.1』 【25SP】

…………

……

―――――――――――――――――――――


(マジで選び放題かよ)


他の人の反応をみると、みんなにもこのリストが見えているだろう


(やばいな…これはやばい…)


スキルの中にはとんでもないものがちらほらいる。

女神は自由にしていいっと言っているが、それを好き勝手っととらえる人が居てもおかしくない。


(うわああ、異世界に行きたいけど、クズ野郎と一緒は御免だ)


そう悩んでいる内にスキルを取り終わった人たちが次々と消えていく。


必死にスキルリストを読み、役に立つものを探すが、

強そうなスキルは高いSPが必要だ。


周りを見ると、俺以外に残ったのは二人の女性だけだった。

知り合いか、二人は相談しながらスキルを選んでいるようだ。


その時、焦りを感じていた俺に変なスキルが目に止まった。


-『スキル無効化 Lv.1』 【75SP】


(これは…名前通りに受けるべきか?)


それを見て、俺はすかさずに女神に声を掛けた。


「女神さん、このスキルは俺の思っている通りの効果を持っているのか?」


女神に読心術か何かがあるのを信じて、俺はそうやって聞いてみた。


これまでにスキルのことを質問した人もいたが、スキルの効果は一切も

教えられないっという答えばっかりだったが、構わずに聞いてみた。


数秒の沈黙が流れ、様子を見ていた他の二人も自分のステータスに視線を戻し、

SPを全部使ったのか、手を繋ぎながら女神に転移された。


(やっぱり、答えないか…)


俺も諦めて、自分ステータスを見ようとしたが…


「先の質問、あなたが思っている通りのスキルっとだけ答えてあげるよ」


「そうか…ありがとうございます」


答えると思わなかったけど、女神は先と少し違う口調で答えてくれた。


それを聴いた俺は迷わずに自分のスキルを決めた。


―――――――――――――――――――――

SP: 5

-『スキル無効化 Lv.1』 【70SP】

-『体術 Lv.1』 【10SP】

-『ステータス隠蔽 Lv.1』 【15SP】

―――――――――――――――――――――


ステータスを閉じて、女神像を見ていると、部屋全体が光りだした。


「頑張りなさい」


その言葉を最後に、また光っていた俺の体は…爆発した。


「だからなんでよっ!」





つづく

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