めがねは大切な存在である[KAC20248]

@tablegood0212

第1話

 私の母はめがねをかけている、僕が子供の頃からだから40年以上になる。僕も最近、SNSのやり過ぎで視力が落ちて来ている。学生なら教室の後ろから、黒板の字が読めないかもしれない。母は日中ベッドの上にいて、TVを観ている。めがねをかけないとタレントの顔が分からない、お相撲さんのインタビューもしっかりと確認したいのだ。


 母が「めがねが見つからないから探して来て」、


「台所のテーブルの上にあるはずだから」と僕に声をかける。


 僕はリビングで探してみるけど見つからない。


 母に「ないよ」と伝えると、


「洗面台を見てみて」と答える。


 僕は洗面台を確認すると、トイレットペーパーが置いてある棚のコップの中に、無造作にかけてある。僕は朝、歯を磨いたり顔を洗う時に置いたままにしたんだなと理解した。


 母に「洗面台にあったよ」と手渡す、


「身支度の時に起き忘れたでしょ」と母に言う。


 母は「助かった、これで相撲が観れる」と喜んだ。


 こんな会話を1日に一回は母とする。母が何度も同じ失敗を繰り返すので、最近では母がめがねを置き忘れる場所が分かるようになった。母のめがねは眼鏡市場で10年以上も前に購入したものである。10年以上経過すると、母の視力も落ちてきて本人も足が悪くなければ、「今日にでも店に行きたい」と話す。眼鏡屋さんは小郡のイオンタウンの中にある。


 母が「めがねのレンズがフレームから外れてしまった」、


「小郡の眼鏡市場で見て貰ってきて」と話す。


 母は、「めがねを置き忘れないようにチェーンも欲しい」と言う。店員さんの丁寧な接客でレンズは直ぐに元通りになった。チェーンも複数あって、母の気にいるものを購入する事ができた。


 店員さんに僕のサングラスも見せたけど、「フレームが折れていて修理は難しい」と言う。


 僕は「新しいものを購入するか考えます」と店を出た。結局購入に至らなかったのは優先順位が高くないからだろう。


 母に「修理できたよ」とめがねを渡す、


「随分汚れていたみたいだよ」と僕は伝える。


 母は店で購入しためがねを綺麗にするシートでレンズを拭きながら、


「このチェーンのおかげでめがねを置き忘れる事もなくなるわね」と呟いた。


 先日、家族で眼鏡市場を訪れた。父もめがねをかけているのだ。父が店員さんと随分親しく話すので驚いた。時々、一人で店を訪れるらしい。母も新しいめがねを新調した。本人も「これで亡くなるまでまで大丈夫ね」と話した。僕もサングラスを購入した。僕は目が弱いので、夏の強い日差しの中ではサングラスは必需品である。僕の家族にとってめがねは、生活していくのにとても大切な存在である。

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