眼鏡っ娘(こ)を熱く語れ!

さいとう みさき

なんで眼鏡っ娘(こ)なんだ?

 まず最初に断っておこう。

 私は眼鏡属性ではない。

 しかし、世の中には眼鏡にとても、する人もいる。



 そんな訳で、眼鏡っ好きな私の先輩に話を聞いた。



「それで、なんで先輩は眼鏡っが好きなんですか?」


「そりゃぁ、可愛いじゃん!」


「いや、うちの嫁視力悪いんで眼鏡かけると牛乳瓶の底ですよ? 眼鏡ってそんな感じじゃないんですか?」


「バカ者、可愛い女の子が眼鏡をかけているというだけでとうといのだ!」


「とは言え、どこがいいんですか?」


「お前、お姉さんモノとか巫女さんモノ大好きだろ?」


「ぐっ! それはそうですが!!」


「同じだ。我々眼鏡属性は美少女が眼鏡かけているとか、眼鏡で隠れ美少女とか、女教師の眼鏡越しの冷たいまなざしに、ズッキャーンとくるんだよ!!」


「なんか最後のが違うような気もしますが、たかが眼鏡というアイテム一つじゃないですか?」


「バカ者! 眼鏡による知性的な感じや、眼鏡越しの裸眼と眼鏡を通した時の瞳の差がいいんじゃないか!」


「いや、別に素顔の方がいいんじゃないんですか?」


「お前な、巫女さんが下着はいてたらどう思うよ?」


「それは邪道です!! 生娘がその身をみそぎで清らかにして白と赤のコントラストの衣服に身を包む、しかも元々は巫女さん衣装は下着! 下着に下着を穿いてどうするってんです!?」


「そう、我々眼鏡属性にはその眼鏡が下着と同じなんだよ。素顔も勿論いいが、眼鏡越しのそれは下着を穿いているのと同じ、フェチズムの境地なのだ!!」


「なっ!? 眼鏡はパンツだというのですか!?」


「そう、穿いていないのもいいが、穿いてるからこその無限の期待感とそこに隠された神秘性! 貴様なら分かるだろう!?」


「ごくり。 め、眼鏡とはなんと奥が深いのだ……」


「ふっふっふっふっふっ、分かるか? しかも美少女が部屋でシャツだけ姿に眼鏡かけながらお勉強するその様を想像してみろ!」


「ぐっ! 当然ソックスは履いたままですよね?」


「ああ、そうだ。だが、胸元のシャツはだいぶボタンが外れている」


「うぉっ!? そんな油断しすぎた姿なんてっ!」


「だがお勉強中だから眼鏡は外さない。既に身体の一部だからな!!」


「そ、そうか、眼鏡はどんなシュチュエーションでも体の一部! つまりお風呂に入っても付けたまま!!」


「いや、そこは『眼鏡曇っちゃう~』になるので、外さないといけない。貴様、下着をつけたまま風呂に入る女子がいるか?」


「た、確かに! しかしそうすると世にいる眼鏡女子はパンツを顔にかけたままと同じという事ですね!?」


「ふふふふふ、分かって来たじゃないか。そう、我ら眼鏡属性にはそう見えるのだ!!」


「な、何と言う変態紳士! 流石先輩だ!!」


「ははははは、もっと敬ってくれてもいいんだよ?」


「先輩、ずっとついて行きます!!」


「ああ、それではさらに眼鏡っについて語ろうではないか?」


「はい、先輩!」


 こうして私は先輩とまたカンパイをする。

 家飲みの最大の楽しい所はこうして外では出せない性癖を、隠すことなく語り明かせるという事だ。



「……あんたら、流石にキモすぎるんだけど」


 なんか嫁が言ってるが、我々は誰にはばかることなく、眼鏡っについて語る。



「まったく、お前さんもこう言う話にはぇな」


「いやいや、先輩には敵いませんよ、ささっ、お一つどうぞ」




 こうして男たちの眼鏡っに対する熱い語らいは続いて行くのだった。

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眼鏡っ娘(こ)を熱く語れ! さいとう みさき @saitoumisaki

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