愛憎の鎖、茨の愛

いつか、手を離す時が来るなら

いつか、突き放す日が来るなら

いつか、いつか血みどろになりながら

向かい合い、泣く日が来るなら


優しくしないでほしかったなぁ

愛さないでほしかったなぁ


だって、優しくされたら

不器用でも愛があることを知っていたら

嫌いになれないじゃないか


どうして、右手で愛を示しながら

左手で人を刺せるのだろう


どうして、脆すぎるほど優しいのに

あなたに触れると傷つくのだろう


どうして、私に縋り付くその手で

差し伸べる私の手を振り払うのだろう


どうして、愛しているくせに

まともな愛をくれなかったのだろう


愛されたから、

今も愛されていると確信できるから


憎みたいのに

愛しくて


恨みたいのに

哀れんで


嫌いたいのに

大好きで


罵りたいのに、

本当は、家族のままでいたかった


私の心、ミキサーにかけたみたいに

ぐっちゃぐちゃだ

どろどろの怨嗟の声と

寂しい子どもの泣き声が

ずっとずっと鳴り止まない


どうしたらよかったんだろう、と

考えて考えて、人に聞きもして

でも結局、どうにもならなかったと

その答えばかり


そして今も夢に見る

あなたの夢を

まことの悪夢であるように


あなたがこの世を去る日を恐れている

私の心があらわになる日を


その日はきっと遠くない

私がその前に逝かなければ


最後に貰ったネックレス

仔猫のペンダントトップのネックレス

私の趣味じゃない、でも可愛らしいネックレス


見る度思い出す度に、あなたの姿が脳裏に浮かぶ

どうしようもない感情が湧くのに捨てられない


ああ本当に、心の底から憎めたら良かったのに

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