善と悪

善悪というものは

その時代その場所その理由で異なるもので

例えば殺人とて

ただ徒に殺すのは悪だけれども

罪人を処刑するのは善であると

そういう人、土地、国もある


ただまあ善悪という概念が時により

うつりかわる曖昧なものであるからといって

それが全くの無意味で

無価値なものであるかといえば

それは違うだろう


善悪というものは

人間が繁栄・生存する上で必要として

発明された道具であるから

そりゃあその時その時使い易いように

作り直されるのは当然といえば当然で

ならば生きていく上で

善悪を使い、使われる上で

私達が注目するのは製造者と使用者だ


大方、暫くの間雛形を作り

使おうとするのはのは暇人だ

要するに哲学ができる人と

生存の為の行いを他人がやってしまう人

人を使う人


そしてその雛形を大多数の民が

「それで良し」「いたし方なし」とすれば、

その時の善悪という道具は概ね完成する


しかしそれもそろそろ変わるらしい

或いは戻ると言った方が正しいのか

兎にも角にも善悪とはなにか

考える知恵と暇を持てる人が増えたということだろう


***

尚、上記の「善悪」は人の善悪であり

神の「善悪」ではないものとする

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