Prince #4 Controversy 戦慄の貴公子

 この作品からは協力者が演奏に参加するようになるが、基本はワンマンバンドだ。


 クレジットに書いてある事柄のカンマの意味するところ正確にはわからないがドラムがBobby Z とあるのは全曲での参加なのだろうか。


 他はバックコーラスとキーボードで3曲他のメンバーが参加しているクレジットがある。


 まだ基本はファルセットヴォーカルが曲のメロディーをなぞるが、前作よりもさらに地声による本音が目立つ内容だ。


 天才的音楽と彼のセクシャリティーと感情の3つの本音が全面にあると80年代のプリンスの大ブレイクと言う図式が少しずつ開かれることになる。


 前作よりもキーボードの比重が小さくなるが、ライトなギターアレンジによるユーモアのセンスを含んだサウンドが展開される。


 ダンス曲でありながらシンセを使わないがニューウェーブ的要素のあるタイトル曲、これは少し長いがこの後長尺の曲を彼は多用するようになる。しっかり聴かないと彼が何を演奏で表現しているかわからなくなるかも知れない。


 Do Me, Baby では曲がスローバラードの中に彼のパッションがぶつけられた強烈さがある。


 Private Joy ではニューウェーブの露骨なシンセサイザーアレンジがみられるが曲は良く、曲目と同じく濃い色気を発散させている。


 お遊び的曲の Ronnie ,Talk to Russia は短い。こんな曲を入れるあたり緊張感から解けた証だろう。


 Annie Chritian ではおそらくプロテスト的な歌詞を含むラップ的な曲だと思う。


 全体的に曲名のとおりセクシャリティーな曲目が目立つ作風だが、作曲に対する成熟とユーモアのセンスの良さも開花している内容だ。

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